海洋生物の調査研究
地理的な障壁が少ない外洋での生物の種分化メカニズムは長らく謎とされてきました。本研究では、多くの種を擁するウミヘビ属のうち16個体(14種)を対象に、全ゲノム解析を実施し、その進化史と種分化の過程を調べました。
その結果、ウミヘビ属の多くの種は約100万年前という比較的最近の時期に、ほぼ同時に急速な種分化が起きていたこと、種分化後は種間の交雑がほとんど見られず、厳格な繁殖的隔離が保たれていることが明らかになりました。
また、2021年に沖縄島近海で採集され、日本初記録として報告されたヨウリンウミヘビについては、同種のオーストラリア産個体と比較して遺伝的多様性が著しく低く、新しく派生した非常に小さな個体群に属する可能性などが示唆されました。
本研究は、日本大学生物資源科学部(岸田拓士教授)を中心とする研究チームに協力する形で行われました。
詳しくは、下記の論文をご覧ください。
2021年に沖縄島近海で確認されたヨウリンウミヘビ
Takushi Kishida, Rina Keboushi, Takahide Sasai, Mamoru Toda(太字:財団職員)
Genomics Reveals Recent Rapid Speciation of Sea Snakes of the Genus Hydrophis (Reptilia, Squamata, Elapidae)
Ecology and Evolution
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