海洋生物の調査研究
セレンは海洋環境に自然に存在する微量元素です。卵生(卵を産む)動物では、血中のセレン濃度が低下すると、孵化率の低下リスクがあることが知られています。本研究では、絶滅危惧種であるタイマイ(Eretmochelys imbricata)の野生個体と飼育個体45頭の血清セレン濃度を比較し、飼育期間中の血清セレン濃度の変化をモニタリングしました。その結果、野生のタイマイは飼育個体に比べて血清セレン濃度が有意に高いことが明らかになりました。この低下は特に飼育開始後1~2年の間に顕著に見られ、飼育下での孵化率の低下につながる可能性があることを示唆しています。
沖縄美ら海水族館を運営する沖縄美ら島財団は、今後も保全研究を推進し、この課題の解決に向けた取り組みを進めていきます。
タイマイ
Kino Masakatsu, Isao Kawazu, Konomi Maeda (全員財団職員)
Relationship between Serum Selenium Concentration and Rearing Period in Hawksbill Turtles
Current Herpetology
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