海洋生物の調査研究
ヤエヤマハラブチガエルNidirana okinavanaは、石垣島と西表島および台湾の限られた地域に分布する中型のカエルです。本種は、湿地の岸辺に産卵用の巣穴を掘る特殊な生態を持ち、開発に伴う湿地の消失による個体数の減少が危惧され、環境省レッドリストでは絶滅危惧II 類に指定されています。
この度、沖縄美ら海水族館では、ヤエヤマハラブチガエルの飼育下繫殖に初めて成功しました。また、1シーズンにわたる繁殖行動の観察によって、産卵回数、産卵間隔、孵化率ならびに幼生と幼体の成長記録など、本種の保全対策に資する生態学的な基礎データを収集しました。 その結果、繁殖に関する雄同士の闘争行動や、繁殖巣の規模や産卵数等を明らかにすることができました。詳細は下記の論文をごらんください。
当館では、今後も琉球列島の希少な両棲類・爬虫類について、調査研究を継続することで保全に資する情報を蓄積します。
※繁殖に成功した個体の展示については、生き物の状態を見ながら検討していきます。
山﨑啓、笹井隆秀
飼育下におけるヤエヤマハラブチガエルの繁殖と幼生・幼体の育成事例
AKAMATA
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