海洋生物の調査研究
サメの腸はとても変わった構造をしています。外から見ると筒型ですが、内部にラセン状の弁が収納されています。しかし、「なぜラセンなのか?」という疑問については、未だ明確な答えが得られていません。
今回、その疑問に答えるヒントになるかもしれない発見がありました。超音波診断装置(エコー)を用いて水族館で飼育するジンベエザメ「ジンタ」の腸の動きを観察したところ、サメは消化中に腸をねじっていることが分かりました。ねじる方向は常に右向きで、これはラセン弁の巻きをよりキツくする方向です。
つまり、雑巾をねじって水を絞るように、サメは腸をねじることで内部の糞便を肛門から絞り出していると考えられます。
この結果は、水族館で生体を飼育することで初めて分かったことです。
今後も、私たちは飼育生物の研究を通じて、生物の謎の解明に貢献して参ります。
Taketeru Tomita, Kiyomi Murakumo, Rui Matsumoto (すべて財団職員)
Narrowing, twisting, and undulating: Complicated movement in shark spiral intestine inferred using ultrasound
Zoology
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