海洋生物の調査研究
ガラパゴス海洋保護区は世界で唯一、成熟した雌のジンベエザメが回遊することで知られており、その多くが妊娠個体である可能性が報告されています。(一財)沖縄美ら島財団はGalapagos Whale Shark Project(エクアドル)、キト・サンフランシスコ大学(エクアドル)、ガラパゴス国立公園管理局(エクアドル)、ジョージア水族館(アメリカ)、Galapagos Conservation Trust (イギリス)、Marine Megafauna Foundation(アメリカ)と共同でジンベエザメの繁殖生態の解明に向けた野外調査を同海域で行っています。沖縄美ら海水族館で飼育する大型板鰓類の健康管理技術として開発された超音波診断と血液採取の手法をこの調査に導入し、海で自由に泳ぐ野生のジンベエザメに対し実施しました。その結果、2匹のジンベエザメから直径28.5~83.6mmの卵胞(卵黄の前駆体)を世界で初めて検出したほか、6匹の血液からホルモン濃度の分析を行うことに成功し、この成果を学術論文として公表しました。今回確立された調査技術は、絶滅危惧海洋動物の繁殖生態を理解するために役立つと期待されています。
当財団では引き続き、本種の飼育や調査を通し、世界の研究機関と協力して、さらなる知見の拡充に取り組んでいきます。
Underwater ultrasonography and blood sampling provide the first observations of reproductive biology in free-swimming whale sharks
Rui Matsumoto, Kiyomi Murakumo, Ryo Nozu, David Acuña-Marrero, Jonathan R. Green, Simon J. Pierce, Christoph A. Rohner, Harry Reyes, Sofia M. Green, Alistair D. M. Dove, Maria L. Torres, Alex R. Hearn (太字:財団職員)
Endangered Species Research
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