海洋生物の調査研究
ユメゴンドウは世界中の熱帯および亜熱帯に幅広く分布し,国内で唯一の飼育個体が沖縄美ら海水族館で飼育されています。野生のユメゴンドウは、他のイルカに対して攻撃的だと言われており、飼育下でも同様で、同じ水槽内で飼育する他個体やトレーナーへの攻撃行動が頻発し、他個体との社会行動(一緒に遊泳、じゃれ合う等)がほとんど観察されない等の問題がありました。沖縄美ら海水族館では、他のイルカとの社会行動を促すため、ヒトの心理療法としても用いられる行動変容法に基づき、攻撃行動の抑制に取り組みました。その結果、攻撃行動を示さなかった場合にのみ遊具を投入することを反復することよって、攻撃行動は明らかに減少し、他個体との社会行動が増加しました。現在では、他個体との同居も可能となり、体験プログラム等にも参加しています。
瀬戸沙也加,比嘉 克,河津 勲(すべて財団職員)
行動変容法を用いた飼育下ユメゴンドウにおける攻撃行動の抑制の一例
動物園水族館雑誌
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