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  1. 世界初発見!希少なクジラ「タイヘイヨウアカボウモドキ」の新生児発見に関する論文が掲載されました。
沖縄美ら島財団総合研究所

海洋生物の調査研究

世界初発見!希少なクジラ「タイヘイヨウアカボウモドキ」の新生児発見に関する論文が掲載されました。

2020年7月13日、沖縄県宮古島市の海岸にタイヘイヨウアカボウモドキの新生児が死亡した状態で漂着しているのが発見され、この報告が学術誌Marine Biodiversity Records に掲載されました。タイヘイヨウアカボウモドキは、世界的にも目撃例の極めて少ない大変珍しいハクジラ類の一種です。これまでの研究から最大体長が6m前後であることが報告されていましたが、出生時の体長については明らかにされていませんでした。今回宮古島に漂着した個体は、体長2.35mのメスの個体で、体表面には生後数週間の個体にのみ確認できる在胎痕(胎児が母体内で体を折り曲げているために残る体表面のシワ)が残っていました。このことから、この個体は生後数週間以内の個体である可能性が高く、またタイヘイヨウアカボウモドキが沖縄周辺海域で繁殖、出産をしている可能性が強く示唆されました。本報告は、謎に包まれた本種の生態を明らかにする上で大変貴重な報告となりました。

著者名

Nozomi Kobayashi, Sachie Ozawa, Nozomi Hanahara, Koji Tokutake, Takaaki Kaneshi, Ken Inoue, Haruna Okabe, Kei Miyamoto, Keiichi Ueda (太字:財団職員)

題名

The first record of a Longman’s beaked whale (Indopacetus pacificus) newborn neonate found on Miyako Island, Okinawa, Japan

雑誌名

Marine Biodiversity Records

論文リンク

https://doi.org/10.1186/s41200-021-00201-z

沖縄県宮古島市に漂着した(場所:地図上)タイヘイヨウアカボウモドキの新生児。
写真A,Bの矢印は新生児のみに見られる在胎痕(体表面のシワ)を示す。

お問い合わせ先
総合研究所
〒905-0206 沖縄県国頭郡本部町石川888番地
TEL:0980-48-2266   FAX:0980-48-2200

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