海洋生物の調査研究
アカタマガシラは水深200m付近に生息するイトヨリダイ科の魚で、沖縄では市場にも出回る普通種です。一般財団法人沖縄美ら島財団とフィールド自然史博物館(米国)の研究チームは、これまで1種類と思われていたアカタマガシラが実は2種類に分かれることを明らかにし、一方を「アカタマガシラParascolopsis akatamae(新種)」、他方を「エンビアカタマガシラ(新称)Parascolopsis eriomma」としました。
両種の外観は酷似しますが、「頭部の色彩」と「尾鰭の形」にわずかな違いが見られるほか、DNA解析からも別種であることが確認されました。また、両種に青色の光を照射すると、アカタマガシラだけ峡部と鰓膜に強い蛍光反応がみられることがわかりました。蛍光パターンの違いが類似する魚種の識別形質として有効であることが示されたのは世界でも初めての事例です。
本研究の成果は学術雑誌「Zootaxa」に掲載されました。
アカタマガシラParascolopsis akatamae(左)とエンビアカタマガシラParascolopsis eriomma(右)。中・下段は蛍光の様子
Kei Miyamoto, Caleb D. McMahan, Atsushi Kaneko(太字:財団職員)
Parascolopsis akatamae, a new species of dwarf monocle bream (Perciformes: Nemipteridae) from the Indo-West Pacific, with redescription of closely related species P. eriomma
Zootaxa
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