海洋生物の調査研究
沖縄美ら海水族館で飼育しているジンベエザメが、餌を体内でどの程度、消化・吸収しているか調査するため、皮膚、血液、糞や餌に含まれる窒素および炭素の安定同位体を分析しました。これらの情報に基づき、沖縄本島周辺へ回遊する野生ジンベエザメを調べることで、栄養段階や採餌海域を推定することができました。
これまでジンベエザメは動物性の餌生物を、生命活動に利用していると考えられてきましたが、植物性の餌も体内に取り入れて生活している可能性が明らかとなりました。また、採餌した海域が個体ごとに大きく異なることが示唆されました。
この成果は、ジンベエザメの同位体分析の基礎情報となり、今後の生態解明に広く適用されることが期待されます。
Alex S.J. Wyatt, Rui Matsumoto, Yoshito Chikaraishi, Yosuke Miyairi, Yusuke Yokoyama, Keiichi Sato, Nao Ohkouchi, Toshi Nagata (太字:財団職員)
Enhancing insights into foraging specialization in the world's largest fish using a multi-tissue, multi-isotope approach.
Ecological Monographs
https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/ecm.1339
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