海洋生物の調査研究
タイマイは熱帯・亜熱帯地域のサンゴ礁に生息し、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載される等、絶滅が心配されているウミガメです。沖縄に生息するタイマイは、インドネシアをはじめとした東アジア地域のタイマイと、遺伝的な交流があることは分かっていましたが、移動を確認した例はありませんでした。
我々は沖縄周辺で衰弱したタイマイを保護し、健康状態が回復した後に、2016年7月13日に海洋博公園の砂浜から標識放流を行いました(標準直甲長749mm,体重47.9kg,雄)。その結果、放流から142日後にあたる2016年12月2日、本個体はインドネシアパプア州ヤペン島で再発見されました。直線の移動距離にすると約3200km、このような長距離移動は東アジアにおいては初めての確認となりました。本種の移動回遊に関する知見は未だ乏しく、今後もタイマイの飼育や標識放流を通して、生態の解明に繋げていきたいと考えています。
Isao Kawazu, Emi Inoguchi, Ken Maeda, Shingo Fukada, Mariko Omata(太字:財団職員)
Long-distance movement of a tag-released hawksbill turtle from Japan to Yapen Island, Papua Province, Indonesia
Fauna Ryukyuana
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/naruse/lab/Contents_E_files/45-1_Kawazu_etal.pdf
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