海洋生物の調査研究
イタチザメは全長4メートルを超える大型のサメで、沖縄周辺に生息する魚食性のサメの中で最大の種の一つとして知られています。
2017年3月に、沖縄美ら海水族館で飼育されていたイタチザメが30匹の赤ちゃんを出産しました。過去には、死亡したメスの体内から胎仔を取り上げて飼育した例が米国で知られていますが、自然分娩が観察されたのは今回が初めてです。
我々の観察結果により、イタチザメの分娩が3時間以上の長時間にわたること、すべての赤ちゃんが尾ビレから先に産まれてくることなど、本種の繁殖生態の一端が初めて明らかとなりました。
さらに、産まれた直後の赤ちゃんは遊泳と休息を定期的に繰り返す、奇妙な行動が見られました。これは、人間の赤ちゃんに「はいはい」をする時期があるように、サメも十分な遊泳能力を身に着けるまでの準備期間があることを示していると考えられます。
妊娠中のイタチザメ(上)と、産まれた直後の赤ちゃん(下)
Taketeru Tomita, Hideyuki Touma, Kiyomi Murakumo, Makio Yanagisawa, Nagisa Yano, Shin-ichiro Oka, Kei Miyamoto, Nozomi Hanahara, Keiichi Sato(すべて財団職員)
Captive Birth of Tiger Shark (Galeocerdo cuvier) Reveals a Shift in Respiratory Mode during Parturition
Copeia
https://doi.org/10.1643/CI-17-683
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