海洋生物の調査研究
サメ・エイ類の飼育下繁殖を推進する上で、繁殖に適した個体を選別することは重要となる。しかしながら、メスは外部形態から生殖状態を判別することが難しいため、その判別指標が求められていました。
本研究では沖縄美ら海水族館で飼育されている性成熟したメストラフザメを対象に1年以上におよぶ生殖器官のエコー観察および血中の性ホルモン濃度の測定を行いました。その結果、性ホルモンの変動が卵発達や産卵期といったメスの生殖状態を反映していることが明らかとなりました。このことから性ホルモンの変動が生殖状態を類推する上で有用な指標となることが示されました。また、トラフザメはジンベエザメと最も近縁であることから、今回得られた結果は今後ジンベエザメの飼育下繁殖に向けても有用な情報になると期待されます。
Ryo Nozu, Kiyomi Murakumo, Nagisa Yano, Rina Furuyama, Rui Matsumoto, Makio Yanagisawa, Keiichi Sato (すべて財団職員)
Changes in sex steroid hormone levels reflect the reproductive status of captive female zebra sharks (Stegostoma fasciatum)
General and Comparative Endocrinology 265 (2018) 174–179
https://doi.org/10.1016/j.ygcen.2018.03.006
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