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  1. ザトウクジラ調査
沖縄美ら島財団総合研究所

海洋生物の調査研究

ザトウクジラ調査

ザトウクジラ調査

ザトウクジラは夏に餌を食べるためロシアやアラスカなどへ、冬になると繁殖や子育てのため沖縄や小笠原、ハワイなどへ回遊を行います。沖縄周辺では例年12月終わりから4月はじめ頃にかけて本種を対象としたホエールウォッチングが行われており、ザトウクジラは冬季観光産業を支える重要な資源となっています。当財団では国内外の研究者や地元の方々と協力し、ザトウクジラの生態や資源状態を調査しています。

ザトウクジラ調査応援ページ

https://app.dandon.jp/dandon/user/events/139155e6aa6e52e203e6c8272df304db5da2a4b7f2121fc370add9ba6ce6b76c

新着情報

2025.3.25

伊江島西沖にて

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:4群6頭(親子クジラ:なし)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:4群8頭(親子クジラ:1群)
            *提供情報

本日で今シーズンのザトウクジラ調査も最終日となりました。皆様のご協力のお陰で、今年は慶良間、本部海域合わせて延べ300頭以上の識別写真を撮影することができました。そして、今年も那覇周辺海域の発見情報や尾びれ写真等をご提供頂いた(一社)沖縄中南部ホエール協会の皆様、本部周辺海域の発見情報など大変多くのご協力を頂いた沖縄北部ホエールウォッチング協会の皆様、また、その他ご協力頂いた座間味村ホエールウォッチング協会の皆様、渡嘉敷村ホエールウォッチング協会の皆様、那覇市、恩納村、伊江村、本部町の皆様、調査にご協力頂いた調査船の船長、調査員の皆様、本当にありがとうございました!また来シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。

 

2025.3.24

北上する2頭のザトウクジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:2群8頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:5群7頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:8群15頭(親子クジラ:2群)
            *提供情報

3月も残すところあと数日となり、沖縄のザトウクジラ来遊シーズンもいよいよ終盤です。餌場海域に向けて北上していくクジラも時折観察され、発見報告からも徐々にその頭数が減少してきていることがわかります。クジラの数が少なくなってくると、日々の探鯨にも大変苦労しますが、沖縄では、各事業者の皆さん、調査隊ともに随時クジラの発見場所や頭数について情報を共有しながら、協力して探鯨、観察を行っています。皆様いつも本当にありがとうございます!

 

2025.3.23

シンガーとして確認された識別番号:R-616

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:7群14頭(親子クジラ:3群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:2群3頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:15群22頭(親子クジラ:2群)
            *提供情報

本日の本部調査では、写真のクジラ(識別番号:R-616)が「ソング」を発する「シンガー」として確認されました(*シンガーについては、3/10の記事をご覧ください)。この個体は2006年に慶良間海域で最初に確認されて以降、約30年にわたり何度も沖縄周辺海域で確認されています。さらにこれまでの国内外の研究者、事業者の皆様との共同研究の結果、R-616は、過去にロシア、小笠原、奄美でも確認されていることがわかっています。沖縄と他海域との個体の交流に関する共同研究の結果については、下記のページ等をご覧ください。 https://churashima.okinawa/ocrc/marine_organisms/report/1686889577/

 

2025.3.22

伊江島周辺で尾びれをあげて潜るザトウクジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-)
            *本日は欠航
本 部:8群14頭(親子クジラ:3群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:9群19頭(親子クジラ:2群)
            *提供情報

3月に入り、ここ数日はクジラの発見数が減少傾向にあります。これまでの研究結果から、沖縄周辺海域では3月初旬~下旬にかけて徐々にメスクジラの数が減少することがわかっています。この頃から、交尾を終えたメスクジラは徐々に沖縄を離れ、餌場であるロシア周辺海域への北上をはじめていると考えられています。

 

2025.3.21

伊江島西沖で確認された親子クジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *本日は欠航
本 部:6群10頭(親子クジラ:3群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:8群11頭(親子クジラ:2群)
            *提供情報

本日の本部海域の調査では、親子クジラが計3群観察されました。これまでの研究結果から、母クジラと新生児は、他のクジラ(オスクジラや新生児を連れていないメスクジラ)に比べると、より水深の浅い、岸に近い場所や島と島の間等で多く発見されることがわかっています。母クジラは、沖合に比べて海況の安定した穏やかな海域で、子育てに専念しているのではないかと考えられています。(参照:https://churashima.okinawa/ocrc/marine_organisms/report/1526957440/)。

 

 

2025.3.11

伊江島南西沖にて

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:4群8頭(親子クジラ:3群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:10群18頭(親子クジラ:なし)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:13群30頭(親子クジラ:10群)
            *提供情報

本日の本部海域の調査では、9頭の群れが確認されました。沖縄周辺で観察されるザトウクジラの群の頭数は、2頭、1頭、3頭…の順に多く、稀に10頭以上の群れが確認されることもあります。数日間続けて同じ個体同士が一緒にいることもありますが、多くの場合は、数時間、数日間のうちに離れ、また別の個体と群を形成していることが、これまでの調査からもわかっています。

 

 

2025.3.10

ソング(鳴音)録音の様子

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:5群11頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:11群15頭(親子クジラ:2群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:14群26頭(親子クジラ:8群)
            *提供情報

今日の本部海域の調査では「シンガー」が観察されました。ザトウクジラのオスは、摂餌海域から繁殖海域への回遊途中を含め、主に繁殖海域で複雑な鳴き声「ソング(歌)」を発することで知られており、ソングを発しているオスは「シンガー(歌い手)」と呼ばれています。ソングを発する理由は、メスへの求愛、オス同士の牽制やなわばりの維持など諸説ありますが、まだはっきりとしたことはわかっていません。これまでの調査から、沖縄の沿岸域では、日の入りから日の出にかけて、夜間の方が日中に比べてソングがより活発に観察されることがわかっています(参照:https://churashima.okinawa/ocrc/marine_organisms/report/1668489623/)。

 

 

2025.3.8

ザトウクジラのブリーチ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:8群16頭(親子クジラ:4群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:5群8頭(親子クジラ:2群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:19群34頭(親子クジラ:4群)
            *提供情報

本日の調査では"ブリーチ(ジャンプ)"が観察されました。ザトウクジラはブリーチの他にも、"ペックスラップ(胸びれを海面に叩きつける行動)""ヘッドスラップ(頭部を海面に打ち付けるような行動)"など様々な行動をとることで知られています。その理由は、寄生虫を落とすため、コミュニケーションをとるため、攻撃のため、など諸説唱えられているのですが、実はまだはっきりとは解明されていません。 このような謎めいた大迫力のアクションが見られることも、ホエールウォッチングの醍醐味のひとつなのかもしれません。

 

 

2025.3.1

伊江島南西沖にて

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:8群11頭(親子クジラ:なし)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:10群14頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:20群34頭(親子クジラ:2群)
            *提供情報

本日の本部海域の調査では、2頭で一緒に泳ぐクジラの群れが確認されました。これまでの研究結果から、沖縄では1月下旬~2月下旬にかけて、オスとメスの2頭の群れや3頭以上の競争集団(メスとの交尾の機会をめぐって、複数のオスが争っているとされる雌雄混合群)多いことがわかっており、交尾シーズンのピークであると考えられています。3月に入り、交尾のピークシーズンが過ぎると、時おり北上していくクジラの姿がみられるようになります。

 

2025.2.27

識別番号R-42の尾びれ写真

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:10群17頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
本 部:3群8頭(親子クジラ:2群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:22群32頭(親子クジラ:6群)
            *提供情報

本日の本部調査では、写真のクジラ(識別番号:R-42)が仔クジラを連れて確認されました。この個体は91年に慶良間海域で最初に確認されて以降、今年も含め計17回、30年以上にわたり何度も仔クジラを伴って沖縄周辺海域で確認されています。これまでの沖縄本島周辺での調査では、同じ個体による連続した年での出産は確認されておらず、2~3年に1度出産する個体が多いことがわかっています。

 

2025.2.26

2頭分のブロー

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *本日は欠航
本 部:8群14頭(親子クジラ:0群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:24群44頭(親子クジラ:9群)
            *提供情報

ザトウクジラは呼吸のために約10~20分に1度の間隔で海面に浮上しますが、その際に見られるクジラの噴気(吐いた息)を「ブロー」と呼びます。調査やホエールウォッチングではクジラを発見するために、この「ブロー」を目印にして探します。通常、クジラのブローはすぐ消えてしまいますが、今日のように風が無い日は、数秒間ブローが残っていることがあります。あなたは写真に薄っすらとうつった2本のブローを探すことができますか?

 

2025.2.10

ドローン調査の様子

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:9群14頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:28群41頭(親子クジラ:6群)
            *提供情報

本日の本部海域ではドローンを利用した調査を行いました。この調査は東海大学の研究者の方々と共同で実施しており、クジラの鼻からでる噴気(ブロー)をドローンで採取し、DNAサンプルを得るという新しい試みです。様々な方法でDNAサンプルをたくさん集めることができれば、今後、ザトウクジラの個体群動態の把握にも役立ちます。調査結果については、また講演などでぜひ皆様にお伝えできればと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします!

 

2025.1.25

水納島周辺にて撮影された4個体の尾びれ写真

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:3群5頭(親子クジラ:0群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:7群13頭(親子クジラ:3群)
            *提供情報

ザトウクジラは尾びれ腹面の模様や形状を利用し、個体識別をすることができます(1/19の記事参照)。本日の写真のように一見似た尾びれの個体もいますが、よく見てみると細かい模様が異なっています。当財団では、これまで30年以上に及ぶ調査により約2000頭の個体を識別しており、昨シーズンだけでも慶良間海域と本部海域の調査でのべ300個体の尾びれ写真を撮影することができました。さて、今シーズンは何頭のクジラに出会えるでしょうか!?

 

2025.1.24

ザトウクジラのテールスラップ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:10群15頭(親子クジラ:0群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:13群19頭(親子クジラ:4群)
            *提供情報

本日の調査では"テールスラップ(尾びれを海面に打ち付ける行動:写真参照)"が観察されました。ザトウクジラはテールスラップの他にも、"ブリーチ(ジャンプ)""ペックスラップ(胸びれを海面に叩きつける行動)""ヘッドスラップ(頭を海面に叩きつける行動)"など様々な行動をとることで知られています。沖縄周辺には、例年3月末頃までたくさんのザトウクジラが来遊します。ぜひ皆さんも、この機会に海や陸からのホエールウォッチングでザトウクジラのダイナミックな姿をご覧になってはいかがでしょうか!

 

2025.1.22

調査船にたっくわるクジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:7群13頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:18群34頭(親子クジラ:8群)
            *提供情報

今日の本部海域での調査では、調査船に「たっくわる」クジラに遭遇しました。「たっくわる」とは、沖縄の方言で「くっつく」という意味を表します。今日遭遇したクジラは、エンジンを停めて停船している調査船のすぐ真横に浮上したり船の下をくぐったりして、しばらくの間船の周りに留まっていました。稀にしか見ることのできないこのクジラの行動に、クジラを見なれたはずの調査員や船長も、まじまじとクジラを観察していました。

 

2025.1.19

本部海域で確認された真っ白い尾びれのクジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:10群17頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:12群26頭(親子クジラ:5群)
            *提供情報

今日の本部海域での調査では、真っ白い尾びれ模様のザトウクジラが確認されました。実は、ザトウクジラの尾びれ腹側の模様は、真っ白なものから白黒混ざったもの、真っ黒なものまで個体によって千差万別です。この「尾びれ模様」を北半球と南半球で比べてみると、北半球の方が黒い尾びれのクジラが多いことがわかっています。沖縄周辺でも、これまでに識別された約1900頭のうち、約半数が黒い尾びれのクジラですが、写真のような真っ白い尾びれのクジラはほんの6%程度しか確認されていません。皆さんもホエールウォッチング等で真っ白い尾びれのザトウクジラに出会えたらラッキーですね!

 

2025.1.18

伊江島北沖を遊泳するザトウクジラ

【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
            *2月より開始予定
本 部:10群16頭(親子クジラ:1群)
            *調査船(1隻)による情報
那 覇:14群29頭(親子クジラ:9群)
            *提供情報

今年もザトウクジラ調査を開始しました!当ページでは、沖縄周辺で確認されたザトウクジラの発見情報を随時報告していきます。那覇周辺海域の発見情報は、一般社団法人沖縄本島中南部ホエール協会の皆様よりご提供いただいております。いつもご協力ありがとうございます!今年もよろしくお願いいたします!

 

 

ザトウクジラとは

ザトウクジラは体長12~14m、体重30~40tほどになる大型ヒゲクジラ類の一種で、頭部にみられるこぶ状の突起や長い胸びれが特徴です。世界中の海に生息していますが、季節ごとに餌場と繁殖場を回遊しており、とくに北太平洋では、夏になるとロシアやアラスカなどの冷たい海でエサを食べ、冬になるとハワイ、メキシコ、沖縄、小笠原などの暖かい海で繁殖・子育てをします。沖縄沿岸では例年12月終わりごろから4月の初めにかけてよく観察され、慶良間諸島、本部半島周辺、那覇市周辺などで本種を対象としたホエールウォッチングツアーが盛んに行われています。

ザトウクジラ

尾びれ写真を使った個体識別

ザトウクジラは尾びれ腹面の模様や形状が人間の指紋のように1頭1頭異なります。尾びれの色が真っ白いもの、真っ黒いもの、白黒混ざったものや、同じ黒い尾びれでも後縁のギザギザの形状が各個体で異なるなど様々です。この特徴を生かし、世界各地でザトウクジラの尾びれ写真を使用した個体識別が行われています。

ザトウクジラ調査
尾びれ写真を使った個体識別

美ら島財団のザトウクジラ調査

当財団では沖縄のザトウクジラの資源状態や生態を把握するため、30年以上にわたり調査を継続しています。慶良間諸島周辺や本部半島周辺で収集した尾びれ写真の個体識別により、これまでに約2,000頭を識別しています(2024年現在)。この情報をもとに来遊頭数の推定を行ったり、国内外の研究者や地元の方々と協力しながら回遊経路の解明に努めています。また、その調査結果を地元のホエールウォッチング事業者の方々や子供たちに伝える活動なども行っています。

  • 美ら島財団のザトウクジラ調査
  • 美ら島財団のザトウクジラ調査
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〒905-0206 沖縄県国頭郡本部町石川888番地
TEL:0980-48-2266   FAX:0980-48-2200

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