海洋生物の調査研究
ザトウクジラは夏に餌を食べるためロシアやアラスカなどへ、冬になると繁殖や子育てのため沖縄や小笠原、ハワイなどへ回遊を行います。沖縄周辺では例年12月終わりから4月はじめ頃にかけて本種を対象としたホエールウォッチングが行われており、ザトウクジラは冬季観光産業を支える重要な資源となっています。当財団では国内外の研究者や地元の方々と協力し、ザトウクジラの生態や資源状態を調査しています。
ドローン調査の様子
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:9群14頭(親子クジラ:1群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:28群41頭(親子クジラ:6群)
*提供情報
本日の本部海域ではドローンを利用した調査を行いました。この調査は東海大学の研究者の方々と共同で実施しており、クジラの鼻からでる噴気(ブロー)をドローンで採取し、DNAサンプルを得るという新しい試みです。様々な方法でDNAサンプルをたくさん集めることができれば、今後、ザトウクジラの個体群動態の把握にも役立ちます。調査結果については、また講演などでぜひ皆様にお伝えできればと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします!
水納島周辺にて撮影された4個体の尾びれ写真
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:3群5頭(親子クジラ:0群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:7群13頭(親子クジラ:3群)
*提供情報
ザトウクジラは尾びれ腹面の模様や形状を利用し、個体識別をすることができます(1/19の記事参照)。本日の写真のように一見似た尾びれの個体もいますが、よく見てみると細かい模様が異なっています。当財団では、これまで30年以上に及ぶ調査により約2000頭の個体を識別しており、昨シーズンだけでも慶良間海域と本部海域の調査でのべ300個体の尾びれ写真を撮影することができました。さて、今シーズンは何頭のクジラに出会えるでしょうか!?
ザトウクジラのテールスラップ
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:10群15頭(親子クジラ:0群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:13群19頭(親子クジラ:4群)
*提供情報
本日の調査では"テールスラップ(尾びれを海面に打ち付ける行動:写真参照)"が観察されました。ザトウクジラはテールスラップの他にも、"ブリーチ(ジャンプ)""ペックスラップ(胸びれを海面に叩きつける行動)""ヘッドスラップ(頭を海面に叩きつける行動)"など様々な行動をとることで知られています。沖縄周辺には、例年3月末頃までたくさんのザトウクジラが来遊します。ぜひ皆さんも、この機会に海や陸からのホエールウォッチングでザトウクジラのダイナミックな姿をご覧になってはいかがでしょうか!
調査船にたっくわるクジラ
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:7群13頭(親子クジラ:1群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:18群34頭(親子クジラ:8群)
*提供情報
今日の本部海域での調査では、調査船に「たっくわる」クジラに遭遇しました。「たっくわる」とは、沖縄の方言で「くっつく」という意味を表します。今日遭遇したクジラは、エンジンを停めて停船している調査船のすぐ真横に浮上したり船の下をくぐったりして、しばらくの間船の周りに留まっていました。稀にしか見ることのできないこのクジラの行動に、クジラを見なれたはずの調査員や船長も、まじまじとクジラを観察していました。
本部海域で確認された真っ白い尾びれのクジラ
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:10群17頭(親子クジラ:1群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:12群26頭(親子クジラ:5群)
*提供情報
今日の本部海域での調査では、真っ白い尾びれ模様のザトウクジラが確認されました。実は、ザトウクジラの尾びれ腹側の模様は、真っ白なものから白黒混ざったもの、真っ黒なものまで個体によって千差万別です。この「尾びれ模様」を北半球と南半球で比べてみると、北半球の方が黒い尾びれのクジラが多いことがわかっています。沖縄周辺でも、これまでに識別された約1900頭のうち、約半数が黒い尾びれのクジラですが、写真のような真っ白い尾びれのクジラはほんの6%程度しか確認されていません。皆さんもホエールウォッチング等で真っ白い尾びれのザトウクジラに出会えたらラッキーですね!
伊江島北沖を遊泳するザトウクジラ
【本日のザトウクジラ発見報告】
慶良間:-群-頭(親子クジラ:-群)
*2月より開始予定
本 部:10群16頭(親子クジラ:1群)
*調査船(1隻)による情報
那 覇:14群29頭(親子クジラ:9群)
*提供情報
今年もザトウクジラ調査を開始しました!当ページでは、沖縄周辺で確認されたザトウクジラの発見情報を随時報告していきます。那覇周辺海域の発見情報は、一般社団法人沖縄本島中南部ホエール協会の皆様よりご提供いただいております。いつもご協力ありがとうございます!今年もよろしくお願いいたします!
ザトウクジラは体長12~14m、体重30~40tほどになる大型ヒゲクジラ類の一種で、頭部にみられるこぶ状の突起や長い胸びれが特徴です。世界中の海に生息していますが、季節ごとに餌場と繁殖場を回遊しており、とくに北太平洋では、夏になるとロシアやアラスカなどの冷たい海でエサを食べ、冬になるとハワイ、メキシコ、沖縄、小笠原などの暖かい海で繁殖・子育てをします。沖縄沿岸では例年12月終わりごろから4月の初めにかけてよく観察され、慶良間諸島、本部半島周辺、那覇市周辺などで本種を対象としたホエールウォッチングツアーが盛んに行われています。
ザトウクジラは尾びれ腹面の模様や形状が人間の指紋のように1頭1頭異なります。尾びれの色が真っ白いもの、真っ黒いもの、白黒混ざったものや、同じ黒い尾びれでも後縁のギザギザの形状が各個体で異なるなど様々です。この特徴を生かし、世界各地でザトウクジラの尾びれ写真を使用した個体識別が行われています。
当財団では沖縄のザトウクジラの資源状態や生態を把握するため、30年以上にわたり調査を継続しています。慶良間諸島周辺や本部半島周辺で収集した尾びれ写真の個体識別により、これまでに約2,000頭を識別しています(2024年現在)。この情報をもとに来遊頭数の推定を行ったり、国内外の研究者や地元の方々と協力しながら回遊経路の解明に努めています。また、その調査結果を地元のホエールウォッチング事業者の方々や子供たちに伝える活動なども行っています。
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