1. 「サメの人工子宮」開発に進展 人工子宮育ちの仔ザメの「出産」に成功!

プレスリリース

「サメの人工子宮」開発に進展 人工子宮育ちの仔ザメの「出産」に成功!

2023.09.28

一般財団法人沖縄美ら島財団(沖縄県・本部町)は、人工子宮装置で育成した深海ザメ(ヒレタカフジクジラ)を、海水環境に移した後も安定的に飼育することに成功し、その成果を国際学術誌PLOS ONEに発表しました。これは、人工子宮装置で長期育成したサメを「出産」させることに成功した世界初の事例となります。
一般に、胎仔にとって出産は周囲の環境が大きく変わる「命懸け」のイベントです。本研究では、出産の3ヶ月前から、装置内の胎仔を人工羊水環境から海水環境に段階的に馴致させることにより、安全な出産が可能になることを明らかにしました。
本成果は、希少種を域外保全するための新技術として期待される人工子宮技術の実用化に向けて、大きな進展をもたらすものです。

発表雑誌

雑誌名

  • PLOS ONE

論文名

  • Successful delivery of viviparous lantern shark from an artificial uterus and the self-production of lantern shark luciferin (人工子宮で育成したヒレタカフジクジラの出産成功と、フジクジラ類の発光物質の自己生成)

著者名

  • 冨田武照、戸田実、金子篤史、村雲清美、宮本圭、佐藤圭一 (一般財団法人沖縄美ら島財団) 

掲載号

ポイント

  • 人工子宮で育成したサメ胎仔の「出産」に世界で初めて成功した。
  • 安全な「出産」には、事前の海水環境への馴致が必要である。
  • 本成果は、人工子宮装置の実用化に向けて、大きな進展をもたらすものである。

画像
実験に使った人工子宮装置(左)と、人工子宮から「出産」したヒレタカフジクジラ(右)

研究者プロフィール
  • 冨田 武照(とみた たけてる):
    2011年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。フロリダ州立大学研究員等を経て、2015年より当財団総合研究所所属。専門はサメの機能形態学。
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お問合せ
一般財団法人 沖縄美ら島財団 企画広報課 仲榮眞・川満
TEL:0980-48-3649 / FAX:0980-48-3085
E-mail: oki-pr@okichura.jp

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