
海洋生物の調査研究
沖縄美ら海水族館で長期飼育しているオスのジンベエザメ(ジンタ)の血液から採取したDNAを用いて、これまでで最も精度の高いゲノム配列(設計図)を構築しました。本研究は国立遺伝学研究所との共同研究として実施され、成果は国際学術誌 GigaScience(2026年2月)に掲載されました。最新のDNA解析技術により、染色体レベルで高精度な配列を解読し、特にX染色体の完成度を高めるとともに、Y染色体の一部配列を本種で初めて明らかにしました。これは、ジンベエザメの性や生殖の理解に重要な成果です。また、近縁種のトラフザメとの比較から、サメ類は他の多くの動物と比べてDNA配列の変化が非常に遅いことが分かりました。さらに、染色体の端に近い遺伝子ほど変化しやすく、中央に近いほど変化しにくいという傾向も明らかとなり、「染色体上の位置」が進化速度に関係することが示されました。本研究で得られた高精度なゲノム情報は、ジンベエザメの進化の解明に加え、世界に広く分布する本種の遺伝的多様性の評価や、今後の保全研究への活用が期待されます。

ジンベエザメ
川口 也和子(国立遺伝学研究所)、松本 瑠偉(沖縄美ら島財団)、工樂 樹洋(国立遺伝学研究所・総合研究大学院大学・理研BDR)
Improved genome assembly of whale shark, the world’s biggest fish: revealing intragenomic heterogeneity in molecular evolution
GigaScience
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