1. 世界初の規模でのザトウクジラ個体識別データセット構築に関する論文が掲載されました!
沖縄美ら島財団総合研究所

海洋生物の調査研究

世界初の規模でのザトウクジラ個体識別データセット構築に関する論文が掲載されました!

ザトウクジラは、個体ごとに尾びれの模様や形状が異なり、この特徴を用いて個体識別をすることができます。本研究では、世界初の規模となる、北太平洋全域を対象としたザトウクジラの尾びれ識別写真の大規模なデータセットの構築および尾びれ照合システムの開発と利用に関する成果を論文にまとめ発表しました。
本研究では、ザトウクジラが来遊する計13海域(繁殖海域6、摂餌海域6、回遊途中海域1)において、39の研究組織と市民科学者によって収集された識別写真が用いられました。これらの識別写真を、AI自動画像認識システムを用いて、照合、集約することで、世界初の規模となるザトウクジラ識別写真のデータセットを構築しました。同システムでは、2001~ 2021年の間で計157,350件、27,956個体分の識別写真が収集されました。また、識別写真の照合の結果、北太平洋では、全個体の約87%の個体が複数年にわたって何度も確認されており、その平均観察回数が5.6回であることが示されました。
本研究で構築された、大規模なデータセットとAI自動画像認識システムは、国や地域を超えて大回遊を行うザトウクジラの生態把握や保全計画に必要不可欠な情報を把握する上で、今後大変重要な技術と情報源となることが期待されます。

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    ブリーチするザトウクジラ
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    調査で尾びれ写真を撮影する様子

著者名

Ted Cheeseman, Ken Southerland, …, Nozomi Kobayashi, …, Haruna Okabe, …, Phil Clapham(他64名)

論文題名

A collaborative and near‑comprehensive North Pacific humpback whale photo‑ID dataset

雑誌名

Scientific Reports

論文リンク

https://rdcu.be/dVXjl

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