海洋生物の調査研究
アオウミガメはIUCN(国際自然保護連合)のレッドデータにも掲載され、絶滅が危惧されています。沖縄美ら海水族館では、本種の保全を目的に、1994年から飼育展示を通して、繁殖や生理生態の研究を行ってきました。
特にウミガメ類の性成熟がはじまる年齢を調べることは非常に難しく、飼育下で繁殖させて確かめる方法が最も有効です。当館では1999年に水族館で生まれた雌のアオウミガメを飼育しながら、毎年、エコーによる生殖腺(卵巣)の観察や直甲長(甲羅の長さ)および体重の測定を行ってきました。その結果、飼育下での雌アオウミガメの性成熟が22‐23才、直甲長82.4-83.5 cm、体重100.4-105.0 kgで開始することが明らかとなりました。
河津 勲、真栄田賢、小淵貴洋、笹井隆秀、水落夏帆、山﨑 啓、前田好美、木野将克、深田晋悟(沖縄美ら海水族館)
原著論文「飼育アオウミガメにおける卵黄形成開始時の年齢および体サイズ」
動物園水族館雑誌第65巻2号, 31–36, 2023.
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