海洋生物の調査研究
多くのイカは泳ぎますが、ハナイカは歩くことを好む珍しいイカです。
腹側の腕を前肢として、胴体(外套膜)から出ているフラップを後肢として使い、四足歩行を行います。
この歩行に必要なフラップが、どのようなメカニズムで動いているかを調べるため、歩行運動の観察と形態観察を行いました。
歩行時、フラップは伸縮を繰り返していました。また、フラップの皮膚の中には特殊な筋とコラーゲンがあり、皮膚突起としての構造を持っていました。
この皮膚突起の構造により、フラップを伸縮させて歩行していることがわかりました。
他のイカは皮膚突起をカモフラージュ目的に使用しますが、ハナイカは歩行運動の後肢としても使っていることが明らかになりました。
本研究成果は、底層で歩行を行うハナイカのユニークな運動戦略を理解する上で大変貴重な知見となりました。
Ayano Omura、Haruka Takano、Shin-ichiro Oka、Shiro Takei(太字:財団職員)
Quadrupedal Walking with the Skin: The Ambulatory Flaps in “Walking” Cuttlefish
(Paintpot Cuttlefish, Metasepia tullbergi)
The Biological Bulletin
https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/720766
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