海洋生物の調査研究
日本は北太平洋におけるアカウミガメの主な産卵場となっており、屋久島を中心に南西諸島から本州にかけて産卵が確認されています。国内での産卵上陸頭数は1990年以降から現在にかけて減少傾向にあり、IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータにも掲載され、絶滅が危惧されています。沖縄美ら海水族館では、本種の保全を目的に、1994年から飼育展示を通して、繁殖や生理生態の研究を行ってきました。
特にウミガメ類の性成熟がはじまる年齢を調べることは非常に難しく、飼育下で繁殖させて確かめる方法が最も有効です。当館では1995年に水族館で生まれた雌のアカウミガメを飼育しながら、毎年、エコーによる生殖腺(卵巣)の観察や直甲長(甲羅の長さ)の計測を行ってきました。その結果、飼育下でのアカウミガメの性成熟が18‐22才で開始することが明らかとなり、3世代目の累代繁殖成功も含めた本結果が、アメリカの両生爬虫類学会が出版しているHerpetological Review誌に掲載されました。
Shingo Fukada, Isao Kawazu, Ken Maeda, Takahiro Kobuchi, Masae Makabe, Masakatsu Kino, Konomi Maeda, Mariko Omata, Takahide Sasai( 太字:財団職員 )
Breeding Success of a Captive F2 Generation of Loggerhead Sea Turtle in Okinawa Churaumi Aquarium
Herpetological Review
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