海洋生物の調査研究
2021年8月6日、沖縄県北谷町の宮城海岸に大型の鯨類が死亡漂着しているのが発見されました。当財団の過去の研究結果(Kobayashi et al. 2021a; 2021b)をもとに調査したところ、外見および骨格等の特徴から「タイヘイヨウアカボウモドキ」という世界でも過去に20例程しか漂着例のない希少なクジラであることがわかりました。この個体は、体長約5mの若いオスで、国内では鹿児島、北海道に次ぐ5例目、沖縄県内では、2011年、2020年に次ぐ3例目の漂着となりました。
タイヘイヨウアカボウモドキの詳しい生息域や生態はまだ明らかになっておらず、国内では沖縄県内でのみ複数の漂着例が報告されています。当財団では、今後、北谷町や国内外の研究機関と協力して、胃内容物やDNA関連の調査も含め、より詳細な調査、研究を実施する予定です。
沖縄県北谷町に漂着したタイヘイヨウアカボウモドキ
【引用文献】
Kobayashi N, Tokutake K, Yoshida H, Okabe H, Miyamoto K, Ito H, Kawazu I, Ueda K. 2021a. The First Stranding Record of Longman’s Beaked Whale (Indopacetus pacificus) in Okinawa, Japan. Aquatic Mammals. 47(2): 153-174.
Kobayashi N, Ozawa S, Hanahara N, Tokutake K, Kaneshi T, Inoue K, Okabe H, Miyamoto K, Ueda K. 2021b. The first record of a Longman’s beaked whale (Indopacetus pacificus) newborn neonate found on Miyako Island, Okinawa, Japan. Marine Biodiversity Records. 14:4.
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