海洋生物の調査研究
陸上最大の甲殻類であるヤシガニは体重の100倍近い挟む力を発揮します。その巨大な力に耐えるハサミの殻の秘密を解明するため、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)と当財団は、最新機器を用いて微細構造を解明しました。殻は大きく分けて外クチクラ(外側)と内クチクラ(内側)に分けられ、外クチクラは鋼鉄レベルの硬さを誇り、石灰化した薄い角質層が約100枚、らせん状に少しずつ角度を変えながら重なっていました。また、内クチクラは外クチクラくらべ柔らかく、クッションのような役割で表面にかかる力を吸収する構造となっていました。このように、ヤシガニのハサミの殻は、剛柔をうまく組み合わせた非常に合理的な構造であることが明らかとなりました。
本研究の成果は、多様な分野での材料開発に応用できる可能性があります。軽くて強い究極の材料のヒントになるかもしれません。
Tadanobu INOUE, Shin-ichiro OKA, Toru HARA (太字:財団職員)
Three-dimensional microstructure of robust claw of coconut crab, one of the largest terrestrial crustaceans
Materials & Design
https://doi.org/10.1016/j.matdes.2021.109765
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