海洋生物の調査研究
ジンベエザメは世界の温帯から熱帯の海に広く生息し、広範囲に回遊することが知られています。しかし、日本に回遊してくる個体が、どの地域の個体と遺伝的交流があるか、解明されていませんでした。今回、日本(沖縄と本州)で採取されたジンベエザメの遺伝子を調査した結果、フィリピン、台湾およびカリフォルニア湾の個体と交流がある可能性が示されました。これにより、西部太平洋-インド洋間と北太平洋全域では個体の移動があることも分かりました。この成果は、個体数の減少が危惧されているジンベエザメの生態解明や、資源管理などの保全活動に広く貢献することが期待されます。
Naoki Yagishita, Shin-ichiro Ikeguchi and Rui Matsumoto (太字:財団職員)
Re-estimation of Genetic Population Structure and Demographic History of the Whale Shark (Rhincodon typus) with Additional Japanese Samples, Inferred from Mitochondrial DNA Sequences
Pacific Science, 74(1):1-19.
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