海洋生物の調査研究
ザトウクジラは大型のヒゲクジラ類の一種で、夏はロシアやアラスカなどの高緯度海域で摂餌を行い、冬は沖縄、フィリピンなどの低緯度海域で繁殖や子育てを行います。今回、沖縄美ら島財団、ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理研究所、モスクワ州立大学(ロシア連邦)、BALAYENA.ORG(フィリピン)の研究グループは、ロシアと北太平洋の各繁殖海域(沖縄、フィリピン、ハワイ、メキシコ)間のザトウクジラの個体交流について明らかにすることを目的に、共同で調査、研究を実施しました。その結果、ロシアと繁殖海域間で一致した152頭の内、約70%が沖縄とフィリピンで確認され、その半数は沖縄との一致個体であることが明らかになりました。このことから、ロシアで摂餌を行うザトウクジラは、主にアジア周辺を繁殖海域として利用しており、また沖縄に来遊するザトウクジラの主な摂餌海域はロシア周辺海域であることが示唆されました。
Olga V. Titova. Olga A. Filatova, Ivan D. Fedutin, Ekaterina N. Ovsyanikova, Haruna Okabe, Nozomi Kobayashi, Jo Marie V. Acebes, Alexandr M. Burdin and Erich Hoyt (太字:財団職員)
Photo-identification matches of humpback whales (Megaptera novaeangliae) from feeding areas in Russian Far East seas and breeding grounds in the North Pacific
Marine Mammal Science
http://doi.org/10.1111/mms.12444
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