海洋生物の調査研究
深海ザメのなかには光る能力をもっている種類がいます。フジクジラの仲間はその一つです。彼らが光る理由については「同種を識別するため」や「深海に届く弱い太陽光に溶け込むことで姿を隠すため」などの説が唱えられてきましたが、確かなことは分かっていません。
そこで、沖縄美ら島財団とルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)の研究チームは、フジクジラの仲間の背中の発光パターンを詳細に調べたところ、背びれの二本の棘の周りに発光器官が密集しており、棘を照らし出すように発光していることが分かりました。このことは、フジクジラの発光が、棘を誇示することで捕食者から身を守る役割を持っていることを示唆すると考えられます。
フジクジラ類二種の背中の発光パターン。Jérôme Mallefet (ルーヴェン・カトリック大学)が撮影。
Laurent Duchatelet, Nicolas Pinte, Taketeru Tomita, Keiichi Sato, Jérôme Mallefet (太字:財団職員)
Etmopteridae bioluminescence: dorsal pattern specificity and aposematic use
Zoological Letters
https://zoologicalletters.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40851-019-0126-2
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