一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センター(沖縄県本部町)と国立研究開発法人物質・材料研究機構(茨城県)の研究グループは、海洋博公園に生息するヤシガニの成長速度や生息個体数を、14年間の追跡調査の結果に基づいて明らかにしました。本研究の成果は、日本甲殻類学会の国際誌「Crustacean Research」に掲載されました。
発表雑誌
雑誌名
- Crustacean Research (DOI:10.18353/crustacea.50.0_145)
タイトル
- Growth analysis and population size estimation of coconut crabs based on a large recapture dataset
著者
- 岡慎一郎1、徳武浩司1、井上忠信2
(1一般財団法人沖縄美ら島財団、2国立研究開発法人物質・材料研究機構)
掲載号
ポイント
- 2006年から2019年までの14年間、世界最北端とされる海洋博公園のヤシガニ個体群の生息実態調査を350回以上実施し、506組の再捕獲データを収集解析した。
再捕獲データを用いたヤシガニの研究は、本研究が世界初となる。
- ヤシガニの成長は非常に遅く、一般的な食用サイズ(体重約500g)に達するのにオスで10年以上、メスで25年以上を要することが判明。寿命は雌雄とも約50年と推定される。
- 海洋博公園に生息するヤシガニの数はおよそ1,000匹と推定。生息密度は世界的に見ても比較的高い水準で保たれており、国内外で生息数が減っている中、個体群の状態は良好と評価される。
代表研究者
岡 慎一郎(おか しんいちろう)
博士(理学)、一般財団法人 沖縄美ら島財団 総合研究センター 動物研究室 室長兼上席研究員
専門は水生生物の生活史研究・保全生態学
- お問合せ
- 一般財団法人 沖縄美ら島財団 企画広報課 仲宗根・宮内
TEL:0980-48-3649 / E-mail: