一般財団法人沖縄美ら島財団と沖縄科学技術大学院大学(OIST)らの研究グループは、沖縄県恩納村瀬良垣沖の水深214mから無人探査機(ROV)で採集した貝殻の中にいたハゼ類が、日本初記録となるLarsonella pumilusであることを明らかにしました。
体全体が黄色いことから、沖縄の代表的な黄色い花であるユウナ(オオハマボウ)にちなみ、新和名「ユウナハゼ」を提唱しました。本研究の内容は、学術雑誌「Zootaxa」に掲載(オンライン公開)されました。
発表雑誌
雑誌名
論文題目
- First record of Larsonella pumilus (Teleostei: Gobiidae) from Japan, with phylogenetic placement of the genus Larsonella
著者
- (一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 動物研究室:花原望・小林希実・植田啓一
- (一財)沖縄美ら島財団 水族館事業部 魚類課 深海展示係:東地拓生
- 東京大学大気海洋研究所:新里宙也
- 沖縄科学技術大学院大学 DNAシーケンシングセクション:小柳亮
- 沖縄科学技術大学院大学 マリンゲノミックスユニット:前田健
ポイント
- 一般財団法人沖縄美ら島財団による無人探査機(ROV)を用いた深海生物調査で、恩納村沖の水深214mの海底からオオクマサカガイの貝殻の中から日本初記録となるハゼ類Larsonella pumilusが見つかった。
- 本種の発見は世界的にも珍しく、今回の報告は7例目となる。日本では初記録。
- DNA解析により、本種と近縁種との系統関係を初めて明らかにした。
- 黄色いユウナの花にちなみ、本種の新標準和名「ユウナハゼ」を提唱した。
- 今後も無人探査機(ROV)調査によって珍しい生物が発見され、沖縄の深海の生物相やそれらの生態学的知見が増えることが期待される。
代表研究者
花原 望(はなはら のぞみ):
理学修士、一般財団法人 沖縄美ら島財団総合研究センター動物研究室職員
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- 一般財団法人 沖縄美ら島財団 企画広報課
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