プレスリリース
2015.03.09
一般財団法人 沖縄美ら島財団(本部町)は、沖縄周辺の海に来遊するザトウクジラの資源状態を把握するため、個体識別調査やストランディング調査を行っています。2月27日に読谷村の在日米陸軍トリイステーション南側の海岸において、死亡したザトウクジラの胎仔の漂着を確認しましたのでお知らせいたします。
2月27日に在日米陸軍の環境課から、読谷村の在日米陸軍トリイステーション南側の海岸でザトウクジラが漂着しているとの連絡を受け、当財団職員が現地へ向かい調査を行いました。クジラは既に死亡しており、その場で解剖を行いました。体長3.6mのメスで、新生仔の平均的な大きさよりも小さく、筋肉や臓器に未発達な状態が確認されたことから、漂着した個体は死産であったと推定されます。
これまで沖縄本島ではザトウクジラの漂着が3例確認されていますが、いずれも大型個体でした。近年、全国的に幼獣と思われる個体の漂着数が増える中、体長5m未満の個体の漂着例はなく、非常に稀な事例といえます。
沖縄美ら島財団は、沖縄近海に来遊するザトウクジラの個体数を把握するための個体識別調査を1991年から行っています。調査結果によると、沖縄近海には年間1,000頭ほどのザトウクジラが来遊しており、その数は年々増加傾向にあります。この傾向が続けば、今後もザトウクジラの漂着が増加することが予想されます。発見された場合は、死亡要因の解明のため当財団へご一報いただければ幸いです。
解剖後に取得した全身の骨格は、ザトウクジラの生態を知る上での貴重な学術標本として利用するほか、広く一般の方に興味・関心を持っていただくための展示も検討します。
沖縄美ら島財団は、今後も漂着個体の調査や来遊頭数のモニタリングを続け、沖縄に来遊するザトウクジラの適切な資源管理に貢献していきます。
資料ダウンロード | 沖縄本島で初記録 ザトウクジラの胎仔が漂着 |
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