1. サメの“小型”人工子宮装置を開発:早産胎仔の長時間搬送が可能に

プレスリリース

サメの“小型”人工子宮装置を開発:早産胎仔の長時間搬送が可能に

2024.12.02

一般財団法人沖縄美ら島財団は、2017年より胎性サメ類の早産胎仔の救命を目的とした人工子宮装置の開発を行なってきました。今回、従来のものより大幅に小型化した装置を新たに作成し、その装置を用いた深海ザメ「ヒレタカフジクジラ」胎仔の育成・人為出産に成功しました。また、この成果を国際学術誌MethodsXにて発表しました。
従来の装置は非常に大型で、水族館などの施設内での運用に限られていました。本研究で開発した装置は、その仕組みを極限までシンプルにすることで、総重量を20分の1以下まで小型化しました。その結果、人力での移動や、小型船や自動車などに積載可能なサイズとなり、施設内での運用だけでなく野外での使用が初めて可能になりました。本技術は、海上で回収された早産胎仔の長時間搬送など、将来的に絶滅危惧種の保全のために活用されることが期待されます。

サメの小型人工子宮装置を開発:早産胎仔の長時間搬送が可能に
図1 :今回、新たに作成した「小型」人工子宮装置の全容と、育成中の深海ザメ(ヒレタカフジクジラ)の胎仔

発表雑誌

雑誌名

  • MethodsX

論文名

  • Portable-size artificial uterine system for viviparous shark embryos (胎生サメ類のための、小型人工子宮装置の開発)

著者名

  • 冨田武照、金子篤史、戸田実、諸田大海、村雲清美、佐藤圭一 (一般財団法人沖縄美ら島財団)

掲載日

  • 2024年11月17日(電子版)

論文リンク

ポイント

  • 携行可能なサイズのサメの人工子宮装置の開発を行なった。
  • 従来の装置の仕組みを極限までシンプルにしたことで、大幅な小型化に成功した。
  • 本装置は、これまで不可能だったサメの早産胎仔の長時間搬送などに活用できる。
 
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お問合せ
一般財団法人 沖縄美ら島財団 調査企画広報課
TEL 0980-48-3645 / FAX 0980-48-2200
※研究内容に関するご質問には、冨田がお答えします。

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