一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究センター(沖縄県本部町)と琉球大学 熱帯生物圏研究センター(沖縄県西原町)の共同研究グループは、沖縄県国頭村近海で採集された全長1.7mの巨大なウミヘビが、日本初記録となるHydrophis stokesiiであることを明らかにし、葉形状の腹板(お腹の鱗)にちなみ、和名「ヨウリンウミヘビ」を提唱しました。本研究の内容は、学術雑誌「Current Herpetology」に掲載されました。
発表雑誌
ヨウリンウミヘビ
ヨウリンウミヘビと笹井
雑誌名
論文名
- Addition of the Sea Snake, Hydrophis stokesii (Squamata: Elapidae) to the Herpetofauna of Japan
著者名
- 笹井隆秀1、山本拓海2、岡慎一郎1、戸田守3
(1一般財団法人 沖縄美ら島財団)、(2琉球大学大学院 理工学研究科)、(3琉球大学 熱帯生物圏研究センター)
掲載日
ポイント
- 2021年3月30日、国頭村奥間にて全長1.7m、胴回り25cm、最大体幅10㎝、体重3.6kgの巨大なウミヘビが捕獲された。
- 調査の結果、日本では発見記録のないHydrophis stokesiiという種類であることが判明した。
- 本種の特徴である葉形状の腹板(お腹の鱗)にちなみ、和名「ヨウリンウミヘビ」を提唱した。
- この発見により、従来オーストラリアから台湾とされていた本種の分布が47年ぶりに北東方向に約900km拡大された。
- 本種は例外的に毒牙が長く、ウエットスーツを貫通するという報告もあることから、マリンレジャーが盛んな沖縄県においては、安全上本種の存在を認識しておくことは重要であることを指摘した。
- 令和3年度内に、沖縄美ら海水族館にて本種の標本展示を予定している。
代表研究者
笹井 隆秀(ささい たかひで):
一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センター 動物研究室
沖縄美ら海水族館 海獣課 ウミガメ係専門は爬虫類学。海棲爬虫類の生態学的・行動学的研究。
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