プレスリリース
2016.12.20
ホホジロザメは、最大全長6mに達するサメで、映画「ジョーズ」のモデルとしても知られています。
一方で、母親の胎内にいる胎仔の成長過程は未だ謎につつまれています。
人間をはじめ哺乳類など多くの胎生動物は、生まれた時は歯を持たず、産後しばらくたってから歯が生えてきます。多くの胎生のサメも、妊娠中には歯を持たないのが一般的です。今回、世界的に極めて希少なホホジロザメの妊娠初期の胎仔標本を観察したところ、妊娠初期の段階ですでに歯を持つことが明らかになりました。ホホジロザメの胎仔が歯を持つことは、本種に近いサメの研究から予想されていましたが、実際に確認されたのは初めてのことです。この特徴は、母親の胎内で無精卵を食べて成長する、ホホジロザメの特殊な繁殖生態と関連があると考えられます。
さらに財団と包括連携協定を締結している国立大学法人琉球大学と共同で、X線CTスキャンを用いて妊娠中期の胎仔を撮影し、あごの内部にある形成途中の歯を観察したところ、「胎仔の歯」から「大人の歯」に生え変わる過程をとらえることに初めて成功しました。
歯の電子顕微鏡写真
(歯が生えている妊娠初期のホジロザメの胎仔)
歯の電子顕微鏡写真
(歯が生えている妊娠初期のホジロザメの胎仔)
頭部の拡大写真
(歯が生えている妊娠初期のホジロザメの胎仔)
資料ダウンロード | ホホジロザメに「乳歯」があった!謎に満ちたホホジロザメ胎仔の成長過程がX線CT画像で明らかに |
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