一般財団法人 沖縄美ら島財団（沖縄県本部町）の研究グループは、海洋博公園に生息するヤシガニのハサミの挟む力を測定し、その驚くべき強い力を調査しました。その力は、最も体の大きい個体だとライオンの咬む力に匹敵します。本研究の論文は、国際学術雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

大きなハサミをもつヤシガニ

発表雑誌

雑誌名

• PLOS ONE

論文名

• A mighty claw: Pinching force of the coconut crab, the largest terrestrial crustacean

著者名

• （一財）沖縄美ら島財団　総合研究センター
  岡　慎一郎、冨田　武照、宮本　圭

掲載日

• 2016年11月24日

URL

• オープンアクセスですので無料でご覧になれます
  http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0166108（英語）

ポイント

• これまで実測値が明らかでなかった、ヤシガニのハサミの挟む力を測定した。
• ヤシガニは体の大きさや性別に関係なく、体重の約90倍の力を出した。
• 体の大きさに対する力の強さは，他の動物と比べると飛び抜けて高い値を示した。
• 最も体の大きいヤシガニ（体重4kg）のハサミの力を計算すると、約340kgfであった。これは甲殻類で最も強い力であり、ライオンの咬む力にほぼ匹敵した。
• ヤシガニの強い力は、外敵からの防御や硬い食物を食べるのに役立っていると考えられる。

代表研究者プロフィール

岡 慎一郎（おか しんいちろう）
2000年 琉球大学理工学研究科海洋自然科学専攻博士前期課程修了。環境調査会社勤務を経て、2010年（財）海洋博覧会記念公園管理財団（現在は一般財団法人 沖縄美ら島財団に名称変更）入社。専門は水生生物の生活史研究。

お問合せ

（一財）沖縄美ら島財団
広報IT課
TEL：0980-48-3649 / FAX：0980-48-2200
※研究内容に関するご質問には、当財団の研究員がお答えします。