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  1. 沖縄周辺海域のザトウクジラについての論文が日本哺乳類学会 論文賞を受賞

プレスリリース

沖縄周辺海域のザトウクジラについての論文が日本哺乳類学会 論文賞を受賞

2018.01.10

一般財団法人 沖縄美ら島財団(沖縄県本部町)の研究グループが学術誌Mammal Studyに発表したザトウクジラの分布等に関してまとめた論文が、平成29年度日本哺乳類学会(会員数約1000名)論文賞を受賞しました。
同研究では、沖縄周辺海域で実施されてきたザトウクジラ調査結果をもとに、ザトウクジラの分布状況について詳細を報告しました。21年に渡る長期データから、観察の難しい大型海棲哺乳類の基礎生態学的知見を得た点や、ホエールウォッチング等の人間活動を見直す上で貴重なデータを提供している点が特に優れていると評価され、受賞となりました。

発表雑誌

雑誌名

Mammal Study

掲載号

Vol. 41, 207–214.

論文名

Spatial distribution and habitat use patterns of humpback whales in Okinawa, Japan

著者名

  • (一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 動物研究室 小林希実
                総合研究センター 動物研究室 岡部晴菜
                水族館事業部 魚類チーム 河津勲
                国営公園管理部 動物管理チーム 東直人
                常勤参与 宮原弘和
                研究顧問 内田詮三
  • 国立大学法人東京海洋大学 鯨類学研究室 教授 加藤秀弘

ポイント

  • 沖縄周辺海域のザトウクジラの分布状況について明らかにした論文が第9回日本哺乳類学会論文賞を受賞した。平成21年度より開始された同賞は、学術誌Mammal Studyに掲載される年間約30編の中から、編集委員16名が推薦する計2編に対して授与されているもので、平成29年度は本論文を含む2編が受賞した。
  • オスや子供を連れないメスは沖合に分布する一方、新生児を連れたメスは水深100 mより浅い沿岸に分布することが明らかになった。このことから、子育て中のメスは、オスからの接近や沖合の荒海を避け、沿岸を選択していると推察された。本研究は、鯨類の科学的調査において非致死的な手法を用いた点が、海外の研究者からも高い評価を受けている。
  • 長期にわたる本調査・研究は、地元ホエールウォッチング事業者のみなさまをはじめとした、多くの方のご協力のもと継続することができた。本研究の成果は、沖縄の観光産業にとって重要な位置を占めるザトウクジラの資源管理や保全活動に役立つと期待される。

プロフィール

小林 希実(こばやし のぞみ)
2015年より(一財)沖縄美ら島財団総合研究センター勤務。2017年、東京海洋大学大学院にて博士号(海洋科学)取得。専門は鯨類の生活史、鯨類の音響行動学的研究。

資料ダウンロード 沖縄周辺海域のザトウクジラについての論文が日本哺乳類学会 論文賞を受賞
お問合せ
(一財)沖縄美ら島財団
広報IT課
TEL:0980-48-3649 / FAX:0980-48-3122

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