プレスリリース
2016.11.04
一般財団法人 沖縄美ら島財団は、伝統的な琉球料理に関する調査研究を行い、無形文化財である琉球料理の発展・継承を図るため、那覇市内に、「琉球食文化研究所」を10月1日に設立しました。
琉球食文化研究所は、財団の研究組織(分室)と、新たに設立した財団の関連会社「(株)琉球食文化研究所」が複合した施設です。
琉球王国時代の王族や士族階級が食した料理・味が消えつつあります。那覇市の琉球料理「美榮」は、最後の琉球国王・尚泰王の四男で美食家であった尚順男爵の料理を再現した老舗(1958年創業)ですが、後継者不足や施設老朽化などにより、存続が課題となっていました。
一方、沖縄の食文化を世界無形文化遺産へ登録を目指す動きなど、琉球料理の記録と継承が求められていますが、学術的な調査機関がないのが実情です。
このため、財団では、新会社を設立して琉球料理「美榮」の経営存続を図るとともに、新たな調査研究拠点として位置づけ、独特な食文化を培ってきた琉球料理、中でも首里地域周辺の王家の食文化に関する調査研究を行い、その保存継承、普及啓発に取り組むこととしました。
琉球料理の記録について、かつて中国皇帝の使者である冊封使を歓待した料理メニューの記録等はあるものの、レシピや味付け、料理手順の詳細については情報が失われかけている状況です。
「琉球食文化研究所」では、1)琉球料理 美榮に残る料理レシピや手順の記録保存、2)琉球王国時代の文献史料や古文書の調査、3)県内各地域および県外の料理との比較研究、4)食空間を彩った食器や調度品の復元に関する調査研究を行います。
実施に当たっては、財団が新会社と連携(調査の委託など)により進めていきます。
財団はこれまでも首里城の歴史文化に関する調査研究を行い、琉球王国時代に形成され失われた文化財の復元・展示等を通して、有形・無形の文化財の保存と継承に努めてきました。
これまでの研究のノウハウを活かし、新たに琉球料理に関する調査研究を行うことで、料理の復元や後継者の人材育成を図ります。
さらに、観光客に琉球料理の素晴らしさを伝えるとともに、普及啓発、県産食材の消費促進をとおした産業振興に寄与し、料理文化の体験、MICEでの活用など沖縄観光の新しい魅力づくりに取り組みます。
資料ダウンロード | 琉球の食文化の保存継承に取り組みます「琉球食文化研究所」10/1 設立! |
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