一般財団法人 沖縄美ら島財団(沖縄県本部町)の中村將参与らの研究グループは、ティラピアの稚魚を高温環境下で一定期間飼育することで、成長後も半永久的に不妊化させることに成功しました。この成果を活用することで、世界中で養殖されているティラピアの養殖技術の向上に貢献することが期待されます。この研究成果は、アメリカの国際科学雑誌『General and Comparative Endocrinology』に掲載されました。
発表雑誌
- 雑誌名:General and Comparative Endocrinology
- 論文名:High temperature-induced sterility in the female Nile tilapia, Oreochromis niloticus
- 著者名:(一財)沖縄美ら島財団 中村將参与、岡山大学理学部付属牛窓臨海実験所 小林靖尚助教、ほか
- 掲載日:2015年3月5日
ポイント
- ティラピアの稚魚を37℃以上で45日間以上飼育した結果、不妊化させることに成功した。
- 不妊化したティラピアは、通常の成熟雌に比べて大きく成長することが分かった。
- この研究結果は、ティラピアの養殖技術に大きく貢献すると期待される。
※要旨は別添資料を参照ください。
※本研究は、文部科学省の科学研究費助成事業における支援により行なわれました。
研究者プロフィール
- 中村將(なかむら まさる):
1971年北海道大学水産学部増殖学科卒業、1978年同大学水産学博士学位取得。2000年琉球大学教授(熱 帯生物圏研究センター)、2006年に同センターのセンター長に就任。2012年琉球大学名誉教授、(財)海洋博覧会記念公園管理財団(現在は一般財団法人 沖縄美ら島財団に名称変更)参与に就任。
- 小林靖尚(こばやし やすひさ):
2000年長崎大学水産学部卒業、2004年北海道大学大学院理学博士学位取得。2004年科学技術振興機構CREST派遣研究員、2012年岡山大学理学部付属牛窓臨海実験所助教。
上段:常温で飼育した成熟雌。卵が発達している。
下段:高水温で不妊化した雌。卵の発達は見られない。
左:常温で飼育した成熟雌。
右:高水温で不妊化した雌。常温で飼育した個体より大きい。
- お問い合わせ先
- 一般財団法人 沖縄美ら島財団
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