琉球文化の調査研究
琉球文化財研究室では、沖縄県立博物館・美術館、伊是名村、沖縄県より文化財の修理・復元、普及・保存・継承に関する3件の業務を受託した。
1)業務内容
本業務は沖縄県立博物館・美術館より、当財団と株式会社国建の共同企業体で業務を受託した。
本業務は、近代化や戦争などによって亡失、もしくは琉球王国時代から継承されてきた有形・無形の文化遺産に関わる学術的知見や科学分析等の情報集積することを目的としている。加えて、これら文化遺産の8つの手わざ(絵画・木彫・石彫・漆芸・陶芸・染織・金工・三線)を現代の最高水準の手わざで復元を行う。さらに王国文化の発信によりブランディングを確立し沖縄県の文化観光資源に資することを目的としている。
令和3年度は昨年度に続き、平成27年度から行った調査研究や復元した65件の資料についての報告書執筆・校正を行った。担当者は木彫・安里成哉、染織・宮城奈々、陶芸・鶴田大(以上総合研究センター琉球文化財研究室所属)、絵画・輝広志、三線・宇保朝輝(以上首里城公園管理部事業課 広報企画展示係所属)が主に行った。
1)業務内容
本業務は、琉球国王尚円の出身地である伊是名村に所在する伝承文化財の調査を行い、文化財の状態を確認し保存修復を行う。現在でも祭祀儀礼等で使用されている資料については複製を製作、原資料は適切に保管しつつ、伝統的祭祀儀礼の実施には支障の無いようにするための事業である。原資料として保存措置を行った文化財に関しては、資料館での展示公開・島外での伊是名村及び地域の文化財の紹介等の取り組みに活用し、現在に伝来する伊是名村の琉球王国時代の特異な文化財をPRして観光振興に寄与することも目的とする。
令和3年度は古文書の修理、複製製作を行った。修理が完了した原資料に対しては撮影を行った。
2)修理・複製製作概要
(1)古文書
19件の修復を行った。本紙の欠失虫害欠損箇所に同質の紙で補修を施すなどの修復を行った。修復修理工房宰匠及び石川堂に依頼した。
1)業務の目的・内容
本業務は沖縄県文化観光スポーツ部文化振興課より、丸正印刷株式会社と当財団の共同企業体で業務を受託した。
沖縄県では平成28年度に策定した「沖縄の伝統的な食文化の普及推進計画(沖縄食文化創生プロジェクト)」において、伝統的な食文化を食育等様々な関連する取組と連携し、保存・普及・継承を推進している。
令和3年度は共同企業体内で業務を分担し、当財団は伝統的な食文化の情報をデータベース化する業務を担当した。沖縄の伝統的な食文化の保存・普及を促進するため、各項目の原稿作成と画像取集を行い、データベースの公開を行った。
2)実施概要
(1)今年度の主な作業内容
ア)データベースへ掲載する原稿作成
イ)画像収集
ウ)ワーキング委員のコラム執筆
エ)公開用HPへの編集作業
・琉球文化財研究室の活動意義を示す事業であり、今後も積極的に取り組んで欲しい。琉球食文化に関する基盤的な取り組みであり、引き続き進めて欲しい(高良顧問:琉球大学名誉教授)。
・(DB製作について)センター内の協力がみられるのがよい。器の写真や用途についての記述がていねいで食文化を知る上で興味深い。DBの意義は大きいことから、今後一点一点の細やかな点検作業が必要(オカラ・豚肉の写真、豚殺しなどの表現方法に工夫が必要)。(西大顧問:生活文化研究所 西大学院学院長)。
・具体的な動きが見えないのでコメントできません。(例えば、沖縄の伝統的な食文化について分野を横断的した情報収集・整理を実施についても、もう少し、詳しい情報があるとよい)(安次富顧問:安次富順子食文化研究所所長)。
*1琉球文化財研究室
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