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  1. 1)親子、子どもを対象にした各種教室の実施
沖縄美ら島財団総合研究所

普及啓発の取り組み

1)親子、子どもを対象にした各種教室の実施

国広潮里*1

1.はじめに

当財団では、亜熱帯性動植物に関する調査研究や国営公園の管理をする中で蓄積されたノウハウ、研究成果等を社会に広く発信し、多くの方々に亜熱帯性動植物に関する学習の機会を提供する普及啓発事業として、子どもから大人までを対象にした各種教室等を実施している。令和3年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、多くの催事が中止または規模縮小しての開催となった。催事は主に「美ら島自然学校」を会場に、一般市民や親子を対象にした「美ら島自然学校学習会」、「美ら島・美ら海こども工作室」等の学習会を開催した。海洋博公園等の外部施設での実施分も併せ、以下に報告する。

2.実施結果

写真-1「ウミガメと沖縄の砂浜」の実施風景
写真-1 「ウミガメと沖縄の砂浜」の実施風景

1)美ら島自然学校学習会(1事業)
美ら海自然教室では、海の自然環境の不思議や面白さを伝えることを目的に、屋内観察や野外観察などの体験を通した学習会を行った。
令和3年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を取りながら「ウミガメと沖縄の砂浜」を開催し、11名の参加があった。「ウミガメの習性や危機についてよくわかった」などの感想があり、ウミガメを通した野生生物への理解を深めたことがうかがえた(写真-1)。

写真-2「サンゴ礁ウィーク展示解説」の実施風景
写真-2「サンゴ礁ウィーク展示解説」の実施風景

2)美ら島自然教室(1事業)
美ら島自然教室は、主に親子を対象とし、沖縄の植物や自然環境についての不思議や面白さを、野外観察と標本観察を中心に学習した。
令和3年度は、美ら島自然学校にて「サンゴ礁ウィーク展示解説」を5日間開催し、延べ17名の参加があった。感染症対策のため少人数での実施を目的に、大々的な告知はせずに実施した。個別で解説し、質疑応答を中心にしたことで、参加者からは、「骨格をたくさん見ることが出来た」「サンゴや自然や私たちのくらしは全て繋がっていることがわかった」といった声が得られ、サンゴ礁生態系への興味や理解を深められたと考えられる(写真-2)。

写真-3「初日の出!こども凧カーブヤーをつくろう」の実施風景
写真-3「初日の出!こども凧カーブヤーをつくろう」の
実施風景

3)美ら島・美ら海こども工作室(1事業)
美ら島・美ら海こども工作室は、主に親子を対象とし、沖縄で採集できる、動物や植物由来の材料・日常生活用品の廃材等を用いて、様々な玩具等を工作する事業である。作製過程で動植物や自然環境の豊かさと活用法を学び、創造性を養うことを目的としている。
令和3年度は、「初日の出!こども凧カーブヤーをつくろう」を開催した。沖縄の伝統的なこども凧(カーブヤー)を作製、凧揚げを行う催事である。新規参加者と併せ、昨年度参加された方がご家族と参加されていた。アンケートでは「少人数で、わかりやすかった」「このような講座をまた受けたい」との声があった。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として行った少人数での実施が功を奏し、参加者ごとに丁寧に対応できた(写真-3)。
併せて、過年度、配布用に作成したウミガメの学習資料を販売用として再編集・発行し販売を開始したほか、既存事業のテキストを販売用として再編集し、琉球玩具に関する冊子の発刊準備を進めた。

3.今後の展望

今後も、当財団職員が中心となって講師を務めるほか、生き物の生態観察や実験、顕微鏡を使った観察や野外観察、工作などの体験を交えた各種教室を企画・実施する。また、親子でコミュニケーションを取りながら学べる親子向けの講座や、気づきのきっかけとなるような小学生以上の子ども向け講座など、参加者のニーズに合った内容を検討し、学びの機会を提供する。

4.外部評価委員会コメント

企画、計画、方法等において、充実しており、実績も多く、評価できる。実際的な現場体験は重要であるが、コロナ禍での状況で困難な面もあり、リモートや映像等によるバーチャル体験が可能な方法も検討されたい。
成果の発表や資料の刊行も大いに広げていくことを期待する(池田顧問:琉球大学名誉教授)。


*1普及開発課

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