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  1. 1)沖縄諸島の絶滅危惧植物に関する現況調査Ⅳ-3(座間味島)
沖縄美ら島財団総合研究センター[美ら島研究センター]

亜熱帯性植物の調査研究

1)沖縄諸島の絶滅危惧植物に関する現況調査Ⅳ-3(座間味島)

阿部篤志*1・仲宗根忠樹*2・横田昌嗣*3

1.はじめに

沖縄諸島においては、分布情報や生育環境等の知見に関し、現状不明の種や未調査の種があること、開発や採集等の人為的な影響、及び植生遷移や自然災害による撹乱等の自然的な影響により、絶滅または減少傾向にある植物に関する調査が不十分であることなど課題が多い。絶滅危惧種の保護保全、ひいてはその種が生育する自然環境や原風景の保全策を検討するのは急務であり、その基礎資料となる生息域内の現況を把握することは重要である。
本調査の背景として、平成26年度から筆者らは「沖縄諸島の絶滅危惧植物に関する現況把握プロジェクト」を立ち上げ、南西諸島の中央部に位置する島嶼群『沖縄諸島』における植物の分布状況、生育立地、絶滅要因、新記録や新産地等の知見を集積し、植物多様性の保護保全、地域連携、普及活動に寄与することを目的に実施している。これまでに、伊平屋島、伊是名島、粟国島、久米島、渡名喜島で調査を実施した。

2.調査方法

令和2年度は、平成30年度からの継続調査で座間味島の維管束植物(絶滅危惧種及び準絶滅危惧種)を対象に、海岸地域における未踏エリア等の調査を6月に実施した。既存資料や有識者からのヒアリングで得た情報等を参考に島内を踏査し、環境省版および沖縄県版レッドデータブックに掲載されている種が出現した場所、出現種、個体数、生育立地、減少要因の知見の記録、生態写真の撮影、標本採集を行った。採集した証拠標本を同定し、(一財)沖縄美ら島財団総合研究センターの植物標本庫に納めた。

3.調査結果の概要

写真-1 カントラノオ
写真-1 カントラノオ
写真-2 ミズガンピ
写真-2 ミズガンピ

令和2年度の調査では、座間味島において沖縄県版レッドデータブックで絶滅危惧IA類に指定されているカントラノオ(オオバコ科:写真-1)が前回の記録から95年ぶりに再発見され、準絶滅危惧種のミズガンピ(ミソハギ科:写真-2)が新たに記録された。併せて生育立地や生育状況に関する知見を集積した。 平成30年度から令和2年度にかけ、座間味島において合計25種の絶滅危惧種及び準絶滅危惧種を確認した。これら3年度分の成果を日本植物園協会誌55号(阿部ら 2020)に掲載した。今後は、成果を重要地域の保護保全、地域連携活動、希少種の保護・保全の普及活動に役立てていきたい。

4.外部評価委員会コメント

沖縄の希少植物の扱いは非常に良くなされている(小山顧問:高知県牧野植物園顧問)。 外部研究機関と連携し、希少植物の保護保全に関する当初の研究目的を着実に実行し、成果が得られている(三位顧問:千葉大学名誉教授)。


*1植物研究室・*2株式会社ツドイカンパニー・*3琉球大学

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