普及啓発の取り組み
当財団では、地域連携や人材育成を目的として県内外の学習施設や教育機関等から依頼を受け、職員を講演等の講師として派遣し、亜熱帯性動植物および海洋文化、琉球の歴史文化に関する調査研究の成果等の普及に取り組んでいる。
当財団職員の講演等への派遣数は53回であった。受講者は2,019名で、主な派遣先は名護市(15件)、那覇市(11件)、沖縄市(3件)、県外(3件)であった。また、海外からも派遣依頼を受けた(2件)。詳細については、表-1を参照。
公民館や自治会からの依頼の他、一般企業や大学・学会等からの依頼を受け、幼児から一般の大人まで幅広い年齢層を対象に行った。
亜熱帯性動植物に関する講演や、当財団が受託管理運営を行う中で培った知識や経験を基にする講演内容となった。
動物に関する講演では、ウミガメ、サンゴ、鯨類など当財団が継続的に調査・研究を行っている生物に関する講演を行ったほか、海生生物を飼育・展示する中で培われた水族館獣医師の仕事内容を紹介する講演等を行った。
植物に関する講演では、当財団が関係する植物工場(上本部小学校跡)の取り組みや沖縄の植物多様性、やんばるの自然環境に関する講演を行った。
歴史文化分野では、首里城に関連した琉球王国の歴史・首里城の歴史に関する講演の他、海洋文化館の展示解説会、沖縄や南西諸島全般の伝統的な木造船、地域の祭りや行事についての講話を行った。
今年度は県内の派遣先が多様になっており、竹富町や宮古島市、渡嘉敷村など、島嶼部への派遣も増えている。また、民間企業による講義依頼も増加傾向にある。加えて昨年度より展開している地域公民館等からの講義を組み合わせた美ら島自然学校利用についても、同じ団体が継続的に利用する例が見受けられたほか、財団が管理・運営する園内外の他施設での講演依頼も増加した。単純な講演実施にとどまらず、関係施設の利用促進にもつながった。
講師派遣依頼による講演は、財団独自のノウハウや研究の成果を公表する場となる。その為、財団事業の認知度、社会的評価を向上させるための広報的事業として、継続的な向上を期する。
今後の展開として、当財団が実施可能な講演・講義内容のメニュー作成やホームページへの公開等、外部の方々が利用しやすい仕組みの導入を検討したい。
表-1 外部への講師派遣実施結果一覧
個々の研究成果や個人的協力により多様な提供・協力ができていると思われるが、組織的・継続的に行うには、依頼機関である行政や教育、社会団体(NPO団体等)との連携、共同企画も必要であり、今後工夫するとよい(池田顧問:琉球大学 名誉教授)。
*1普及開発課
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