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  1. 4)希少植物および有用植物の種子等の超低温保存技術の確立Ⅱ
沖縄美ら島財団総合研究所

亜熱帯性植物の調査研究

4)希少植物および有用植物の種子等の超低温保存技術の確立Ⅱ

赤井賢成*1

1. はじめに

総合研究センターでは、平成28年度から沖縄県の希少植物の生息域外保全と島野菜等の有用資源植物の系統保存を目的とした種子等の超低温保存を開始した。平成29年度からは環境省の種子収集・保存事業で採取された種子や胞子のうち難貯蔵性のものを対象に超低温保存の試行を実施している。本報ではこれまでに保存試行した種子等を報告すると共に、事業を展開する中で浮かび上がってきた課題や問題点、今後の種子等の収集・保存計画について報告する。

2.保存試行

機器導入後、これまでに31種類の植物種の種子・胞子の保存試行を行った(表-1)。この中で、①新宿御苑との役割分担、②保存難易性の評価と保存先の決定方法、③送付方法、④送料、⑤種子子等の研究利用に係るガイドライン、⑥保存した種マニュアルの作成、⑦費用分担、⑧クリーニング、⑨情報管理、⑩所有権、⑪簡易保存事業で種子等を受け入れる種、⑫今後の超低温保存に必要な研究等の課題や問題点が表面化したが、「平成30年度希少野生植物の生息域外保全検討実施委託業務のうち種子保存に関する検討の検討会に関する業務」の検討会において協議を行った結果、概ね課題や問題点は整理され、本格的な事業開始に見通しがついた。財団の自主事業では、今後、希少植物の中でも沖縄県固有種で絶滅確率が高い種類を優先に、種子等の収集・保存を進めていく。

3.外部評価委員会コメント

ランの微細な種子は、保存期間中に発芽率が低下しないか、3~5年ごとに発芽試験が必要ではないか。花粉貯蔵も育種上は必要である(唐澤顧問:ラン研究家)。

表-1 種子・胞子の試行保存を行っている31種類の植物種


*1植物研究室

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