普及啓発の取り組み
泉千尋*1・前田好美*1・木野沙央里*1
当財団では、地域連携や人材育成を目的として県内および県外の学習施設や教育機関等から依頼を受け、当財団職員を講演等の講師として派遣し、亜熱帯性動植物に関する調査研究および海洋文化・琉球の歴史文化の成果等の知識の普及に取り組んでいる。
当財団職員の講演等への派遣数は42回、38団体から依頼があった。受講者は3,397名で、主な派遣先は名護市(13件)、那覇市(8件)、県外(6件)であった。詳細については、表-1を参照。
公民館や自治会からの依頼の他、一般企業や大学・学会等からの依頼を受け、幼児から一般の大人まで幅広い年齢層を対象に行った。
亜熱帯性動植物に関する講演や当財団が受託管理運営を行う中で培った知識や経験を基にする講演内容となった。動物に関する講演では、ウミガメ、サンゴ、クジラ、ヤシガニなど当財団が継続的に調査・研究を行っている生物に関する講演を行った。また、沖縄美ら海水族館を飼育・展示する中で培われた水族館獣医師の仕事内容を紹介する講演・知識内容に関する講演等を行った。
植物に関する講演では、当財団が開始した種子等の超低温保存の取り組みについて講演したほか、やんばるの自然環境に関する基調講演を行った。
歴史文化分野では、首里城に関連した琉球王国の歴史・首里城の歴史に関する講演の他、海洋文化館の展示解説会、与那国島の有形民俗文化財についての講話を行った。
平成29年度は、「やんばる伊豆味のヤマクニブー -これまでとこれからー」の講演に見られるように植物学・民俗学2つの分野の演者による講演会が行われるなど新たな展開も見られた。
また美ら島自然学校を活用した講師派遣依頼が10件と増加したことも平成29年度の講師派遣の特色と言える。
地域連携や人材育成を目指し、外部団体からの講演等の依頼を今後も継続し当財団の亜熱帯動植物・琉球の歴史文化・海洋文化に関する調査研究成果等を社会に広く発信する。
今後の展開として、当財団が実施可能な講演・講義内容のメニュー作成やホームページへの公開等、外部の方々が利用しやすい仕組みの導入を検討したい。
表-1 外部への講師派遣実施結果一覧
*1普及開発課
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