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  1. 1)親子向けの各種教室の実施結果
沖縄美ら島財団総合研究所

普及啓発の取り組み

1)親子向けの各種教室の実施結果

篠原礼乃*1・永田俊輔*1

1.はじめに

当財団では、蓄積されたノウハウや研究成果等を社会に広く発信し、多くの方々に亜熱帯性動植物に関する学習の場や学習支援に関する機会を提供することを目的に普及啓発事業を実施している。平成26年度は、主に親子を対象として、「美ら海自然教室」を6件、「美ら島自然教室」を3件、「美ら島・美ら海こども工作室」を3件開催した。以下に実施結果を報告する。

2.実施結果

1)美ら海自然教室

図-1「サンゴ礁の生きもの観察」実施の様子
図-1「サンゴ礁の生きもの観察」実施の様子

沖縄の海生生物や自然環境について、生物の生体及び標本の観察、実験や野外での観察等を通して、その不思議や面白さを実感・体験し学習することを目的として美ら海自然教室を開催した。

今年度は「サンゴ礁の生き物観察」、「魚の赤ちゃんの世界」、「海草藻場の生きもの観察」、「水族館の秘密を探る」、「魚の解剖」、「サンゴ礁の磯観察」の6事業を開催し、129名の参加があった。

主に総合研究センターの職員が講師を務め、これまで以上に体験型要素の強い教室となるようプログラムを企画し、野外活動での観察や室内での実験や解剖、観察などを十分に盛り込んだ内容で実施した。「魚の赤ちゃん」においては、教材用として市販されている、メガロパ幼生やゾエア幼生、魚の仔稚魚が混ざった製品を使用した解説や観察により、仔稚魚の形態や生活史などを学習した。その後、今年度の新しい取り組みとして、仔稚魚の採集方法を野外で実際に見学した。このような体験型の教室を通して、生き物や自然環境についての興味・関心の提供を図った。

2)美ら島自然教室

図-2「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」実施(座学)の様子
図-2「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」実施(座学)の様子
図-3「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」実施(野外観察)の様子
図-3「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」実施(野外観察)の様子

沖縄の植物や昆虫、川の生き物等の陸域に生息する生物や自然環境について、生物の生体や標本の観察及び実験、野外での観察等を通して、その不思議や面白さを実感・体験し学習することを目的として美ら島自然教室を開催した。

今年度は「シロアリたちの秘密を探る」、「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」、「植物の秘密を探る」の3事業を開催し、60名の参加があった。

「美ら海自然教室」同様に、本教室も室内実験や観察などの体験要素の強いプログラム内容で実施した。「沖縄の川のいきものたちを源河川でさがしてみよう」については、これまで“名護市源河川での野外観察と現地での解説”を1日間で行っていたが、今年度は2日間の行程で実施した。まず1日目は座学として川の生き物、川の特徴や環境、観察時の注意点などについて解説した。そして2日目に、前日の解説内容を踏まえて、源河川での野外観察と解説を行った。2日間に分けて詳しく丁寧に解説できたことで、川の生物や自然環境について深く学習できる機会の提供を図った。

3)美ら島・美ら海こども工作室

図-4「竹や小枝で昆虫をつくろう」実施の様子
図-4「竹や小枝で昆虫をつくろう」実施の様子

沖縄で採取できる植物由来の材料や廃材等の身近なものを用いて様々な玩具等工作物を作製することで、沖縄の自然環境の豊かさや活用法を学び、創造性を養うことを目的として実施している。

平成26年度は、「マイうちわやクバおうぎをつくろう」、「竹や小枝で昆虫をつくろう」、「琉球張り子の絵付けをしよう」の3事業を開催し、43名の参加があった。これらの工作室を通して、沖縄の身近な自然素材や廃材で様々な作品ができることや、沖縄の伝統的な玩具作りについて普及できたと考えられる。

4)外部施設における教室の実施

国営公園管理部企画運営チーム、植物管理チームが主担当となり、海洋博公園内において亜熱帯性動植物に関する教室や工作室を実施した。これらの教室の実施内容の企画・運営及び講師を研究センターの職員が務めた。

※実施日、実施場所、実施内容の詳細については、別表を参考

3.今後の課題

親子でコミュニケーションを取りながら学べる自然教室や工作室は、参加者へ貴重な体験を提供する機会である。当財団職員が中心となり、各専門分野において講師を務め、生き物の解剖や実験、顕微鏡を使った観察や野外観察、工作などの体験を交えた教室を企画し、今後も実施していく。

参加者のニーズを合った講座内容や開催方法、開催場所等を検討することで、より満足度の高い講座を提供していきたい。



*1 普及開発課

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