プレスリリース
2022.06.03
一般財団法人沖縄美ら島財団(沖縄県本部町) の研究グループは、奄美大島の絶滅危惧種である「サガリラン」の保全技術構築にむけ、平成28年度より環境省事業「奄美大島に生育する着生ランの生息域外保全・野生復帰事業」に地域関係者と取り組んできました。6年間の生態調査と培養手法研究の結果、種子からの増殖・育成に成功したサガリランのうち、令和4年5月、培養容器内で3株が開花しました。
サガリランは、国内では奄美大島の一部地域のみでしか見られないラン科の植物です。残存する個体数が少ないことに加え、自生地の開発や乱獲により数を減らしていることから、環境省レッドリストで「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」とされる「絶滅危惧IA類(CR)」に選定されています。奄美大島に自生する個体は分布域(中国、ベトナム、タイ、ミャンマーなど)の北東限に位置し、ランの分布様式や琉球列島の成り立ちを考察する上でも重要な種と考えられています。
佐藤 裕之(さとう ひろゆき):
修士(農学)、(一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 植物研究室 主任研究員
専門は園芸学、育種学。同財団にて、希少植物の生息域外保全技術の構築などの研究に取組んでいる。
資料ダウンロード | 奄美大島の絶滅危惧種「サガリラン」 培養中に容器内で開花 |
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