1. 持続可能な水産資源のための公海調査に協力 「天皇海山」海域 3種の新種サンゴを発見

プレスリリース

持続可能な水産資源のための公海調査に協力 「天皇海山」海域 3種の新種サンゴを発見

2022.03.04

一般財団法人 沖縄美ら島財団 総合研究センター(沖縄県本部町)と国立研究開発法人 水産研究・教育機構水産技術研究所(沖縄県石垣市)の共同研究グループは、2009年~2012年に水産庁が漁業調査船「開洋丸」で実施した「天皇海山トロール漁場海底環境調査」において採集された22点の宝石サンゴ類標本を調査し、3種の新種が含まれていることを発見しました。
本研究の内容は、日本動物分類学会国際学術誌「Species Diversity」に掲載されました。

発表雑誌

雑誌名

  • Species Diversity

論文名

  • A Report on Coralliidae (Cnidaria: Octocorallia) Specimens Collected from the Emperor Seamounts with Descriptions of Three New Species

著者名

  • 野中正法1、林原 毅2
    1一般財団法人 沖縄美ら島財団)
    2国立研究開発法人 水産研究・教育機構 西海区水産研究所  現:水産技術研究所八重山庁舎)

掲載日

  • 2021年10月14日

ポイント

  • 水産庁では「天皇海山」海域の持続可能な漁業を発展させるため、2006年から資源と漁場環境の調査を実施している。当海域は1960年代に大量の宝石サンゴ類が漁獲された場所で、本調査の結果、宝石サンゴ類も複数採集された。
  • サンゴ類等の海底環境調査を担当した水産研究・教育機構からの依頼を受け、沖縄美ら島財団が22の標本に対し分類学的調査を実施。その結果、形態の違い、遺伝子の分析などにより8種類に分類され、さらにそのうち3種類が新種であることが判明した。
  • 3種それぞれに「Hemicorallium kaiyo」、「Hemicorallium muzikae」、「Hemicorallium tokiyasui」と学名を付けた。
  • このような生物多様性調査の結果は、計画的な漁獲をする種、保護対象とする種の判別に寄与し、持続的な漁業ならびに水産資源保全へとつながる。
  • ヘミコラリアム・カイヨウ
    Hemicorallium kaiyo
    (ヘミコラリアム・カイヨウ)
    調査船「開洋丸」にちなみ命名
  • ヘミコラリアム・ミュジッカエ
    Hemicorallium muzikae
    (ヘミコラリアム・ミュジッカエ)
    サンゴ研究者キャサリン・ミュジック博士
    の功績をたたえ命名
  • ヘミコラリアム・トキヤスイ
    Hemicorallium tokiyasui
    (ヘミコラリアム・トキヤスイ)
    光孝海山付近から採取されたため、
    光孝天皇の諱「時康」にちなみ命名

代表研究者

野中 正法(のなか まさのり)
  • 一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センター 統括
    専門は八放サンゴ類の分類学、生態学
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お問合せ
一般財団法人 沖縄美ら島財団 企画広報課 仲宗根・宮内
TEL:0980-48-3649 / E-mail:

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