1. 11)外部への講師派遣
沖縄美ら島財団総合研究所

普及啓発の取り組み

11)外部への講師派遣

板井英伸*1

1.はじめに

当財団では、地域連携や人材育成を目的として県内外の学習施設や教育機関等から依頼を受け、当財団職員を講演等の講師として派遣し、亜熱帯性動植物および海洋文化・琉球の歴史文化に関する調査研究の成果等の普及に取り組んでいる。

2.令和3年度講師派遣実績

1)派遣数及び派遣先(実施場所)
当財団職員の講演等への派遣数は85回(対前年度比404.8%)であった。受講者は2,464名(同296.9%)であった(詳細:表-1)。また、新型コロナウイルス感染症拡大により年度当初は依頼が減少したが、その後はコンスタントに依頼があったほか、前年度に引き続き、オンラインでの開催など従来と異なる手法での対応が増加した。

2)対象
公民館や自治会からの依頼の他、一般企業や大学・学会等からの依頼を受け、小学生から一般の大人まで幅広い年齢層を対象に行った。

3)内容
亜熱帯性動植物に関する講演や当財団が受託管理運営を行う中で培った知識や経験を基にする依頼内容となった。
動物に関する講演ではウミガメ、サンゴ、ザトウクジラなど、当財団が継続的に調査・研究を行っている生物に関する依頼があったほか、水族館獣医師や飼育員の仕事内容に関する講演を行った。また、海ごみと海生生物の関わりに関する講演依頼が例年より多い傾向がみられた。
植物に関する講演では、西表島の希少な植物を学ぶ講演と野外観察会を行ったほか、地域の農業に関する授業を実施した。 歴史文化分野では、琉球・沖縄の食文化に関する講座や、琉球王国時代の美術工芸品に関する講話、首里城の歴史と財団の取り組みに関連した公園を行った。
海洋文化に関する分野では他施設・機関との共同研究がおこなわれたほか、民俗文化財保護の観点から、自治体による協力要請を受けることがあった。
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、定員の減、時間短縮など講座規模の縮小傾向が認められたが、オンラインでの対応も積極的に取り入れられるようになり、対面と併せてオンラインでの遠隔参加も募るなど、より広範囲・多くの利用者に情報の普及が行えるようになってきた。講演では、財団が関係する園内外での活動事例や施設の紹介も行い、関係施設の利用促進にも貢献した。

4)今後の展開
講師派遣依頼による講演は、財団独自のノウハウや研究の成果を公表する場となる。その為、財団事業の認知度、社会的評価を向上させるための広報的事業として、継続する。
今後の展開として、遠隔講座の実施と併せ、講演内容のWEB配信などを行うことにより、より効率的・効果的に、かつ多くの利用に供する手法を検討する。

3.外部評価委員会コメント

財団が取り組んでいる活動・研究等について、研究者・担当者が社会に紹介・講義・教育する機会があることは、財団の存在価値と人材の優秀さを示すものであり、大いに応える必要がある。依頼を待つだけではなく、財団の活動、事業、研究等の内容とスタッフの情報提供を積極的に広めることを期待します(池田顧問:琉球大学名誉教授)。

表-1 外部への講師派遣実施結果一覧







*1普及開発課

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