普及啓発の取り組み

６）環境保全活動支援エコクーポン事業

板井英伸*1

１．はじめに

当財団では、平成20年度より、市民による環境保全活動の支援および地域との連携強化による社会貢献を目的として「環境保全活動支援エコクーポン事業」を実施している。
これは沖縄県内において「希少動植物の保護」「海岸清掃」「赤土流出抑制」などに関する実践的活動を2時間以上実施した団体に対し、参加者1名当たり1枚のエコクーポン（沖縄美ら海水族館入館チケット／有効期限1年）を発行するというものである。

２．本年度の試み

今年度は昨年度までと同様、財団HPに告知を掲載し、県内各所にチラシを配布したほか、財団の地域貢献の一環として、特に本部町や名護市など周辺市町村への周知を強化した。たとえばインターネットや印刷物といった従来の媒体による告知に加え、区長会など地域の会合に職員が直接赴き、利用を呼び掛けた。また、財団が管理する施設で開催するイベント等でエコクーポンを活用することでも、参加者への周知を図った。
なお本事業では、支援団体の要望に応じて活動現場へ職員を派遣し、自然環境の問題や生き物に関する普及啓発活動も行ってきた。今年度はその告知も積極的に行い、利用を促進した。

３．支援実績

１）平成31年度支援実績

今年度は4市町村（名護市、本部町、恩納村、東村）の14団体17件の申請に対し、1,078枚のエコクーポンを発行した。前年度に比べ、申請件数、発行枚数ともに前年並み（前年比：件数100％、発行枚数99.4％）となっている。活動内容は、いずれの場合も海岸清掃活動であった（表-1）。
また、2団体2件の活動に対しては講師を派遣し、海岸の漂着ゴミ等に関する講座を実施した。

２）活動実績（一部）

○事例１
支援団体名：名護市宇茂佐区
支援活動名：海岸清掃キャンペーン
活動場所：名護市宇茂佐海岸
活動日時：令和元年6月8日　14：00～17：00
参加者数：58名
活動概要：地域の自治会（行政区）が実施した事例。海域の環境保全のために、陸域の清掃も行った（写真-1）。

○事例２
支援団体名：美ら島自然学校
支援活動名：美ら島自然学校ビーチクリーン大会in安部
活動場所：美ら島自然学校、名護市安部海岸
活動日時：令和元年8月7日　8：30～11：30
参加者数：73名
活動概要：財団が管理する施設が地域公民館と連携して実施した事例。海岸清掃とともに、総合研究センター職員による漂着物等に関する講義を行った（写真-2）。

○事例３
支援団体名：オンナゴリゾートビレッジ
支援活動名：ビーチ＆ロードクリーンアップ活動
活動場所：恩納村かりゆしビーチ及び周辺ロード
活動日時：令和2年3月2日　14：00～16：15
参加者数：20名
活動概要：恩納村の複数のリゾートホテルが共同で実施した初の事例（写真-3、4）。海岸だけでなく陸域も含めた地域全体を清掃する活動となった。