普及啓発の取り組み
山本 広美*1
沖縄県における高等教育を支援することを目的に、平成27年度より県内の大学において寄附講座を開講している。前年度に引き続き、公立大学法人名桜大学と国立大学法人 琉球大学で開講した。
昨年度同様、名桜大学では新入生のカリキュラムで卒業単位に含まれる選択科目講座「沖縄理解特別講義」の一講座として開講した。また、琉球大学においても大学寄附講座を開講し、全学部生を対象とした選択科目講座「琉大特色 地方創生科目」として実施した。名桜大学では「沖縄の動植物と文化」、琉球大学では「沖縄の動植物と文化」に加え「産業振興」をテーマに、各大学ともに前期日程(名桜大学:平成30年4月~7月、琉球大学:平成30年4月~7月)で開講し、各15回の講義を行った。
講座では海洋博公園、沖縄美ら海水族館、首里城公園などの施設管理や、亜熱帯性動植物および歴史文化の調査研究に携わってきた当財団の職員が講師(写真-1、2)となり、各事業の成果等、具体的な事例を含めて講義することで沖縄の自然環境および歴史文化への理解を促した。各回の講師と講義内容は表-1のとおりである。
学生の登録数は名桜大学で約117名、琉球大学では、114名であった。両大学ともに、期間を通して欠席者も少なく受講態度も良好であった。琉球大学においては、講義内容に産業振興を加えたことが名桜大学とは異なる点である。また、大学寄附講座をしたことで、財団の業務に興味を持った学生からインターン実習の希望が得られた。
今後の実施にあたっては大学側との連携強化と、講義の周知徹底を図る。
財団からの寄附講座を着実に実施しており、受講者も定着し、受講意欲や関心の高さが感じられる。財団の有する各種施設や自然環境を活用した、現地研修も組み合わせるなどの、工夫をされたい(池田顧問:琉球大学 名誉教授)。
表-1 平成30年度寄附講座 講義内容一覧
*普及開発課
Copyright (c) 2015 Okinawa Churashima Foundation. All right reserved.