1. 5)沖縄美ら島財団 助成事業
沖縄美ら島財団総合研究所

普及啓発の取り組み

5)沖縄美ら島財団 助成事業

前田好美*1

1.はじめに

近年、地球温暖化や生態系保全等の環境問題への対応、沖縄の自然環境や歴史風土を活かした観光及び産業の振興、公園利用の多様化等に対応した公園管理運営等の課題への対応が求められている。当財団では、これらの諸課題に対する調査研究・技術開発並びに普及啓発を拡充・推進し社会の要請に迅速に対応するとともに、地域・社会へ貢献するため、平成20年度より「調査研究・技術開発助成事業」を実施している。平成27年度は事業名を「沖縄美ら島財団 助成事業」と改め、調査研究・技術開発部門と普及啓発活動部門を設置し、財団の設立目的にかなう調査研究・技術開発及び普及啓発事業を行う個人、団体に対して費用の助成を行った。

2.内容

2)実施結果

助成対象となる研究分野は、「亜熱帯性動植物」、「海洋文化や首里城等、歴史文化」並びに「公園管理技術の向上」にかかる調査研究等とした。また、一般への普及啓発を目的とした事業等への助成として「普及啓発活動」部門を新設した。テーマの一覧は下記の通り。

①亜熱帯性動物に関する調査研究及び技術開発

  • サンゴの保全
  • ウミガメの保全
  • 希少亜熱帯水生生物の保全

②亜熱帯性植物に関する調査研究及び技術開発

  • 沖縄における緑化樹木及び特殊緑化
  • 沖縄の在来植物の保全及び熱帯果樹・花卉等の有用化

③海洋文化に関する調査研究及び技術開発

  • 沖縄とオセアニア地域をつなぐ海洋文化
  • 琉球列島における海洋文化

④首里城等に関する調査研究及び技術開発

  • 首里城及び琉球王国の歴史と文化

⑤公園の管理運営に関する調査研究及び技術開発

  • 地域や観光産業等との連携・協働による公園の利活用
  • 公園を活用した地域景観・歴史的風致の維持、環境保全

⑥沖縄県における自然環境保全とその適正な利用に関する普及啓発活動

  • 環境学習、自然観察会等の開催
  • 調査研究成果及び環境学習の実施に関する、普及啓発用印刷物の刊行等

2)採用事業

平成27年4月24日から平成27年6月30日を応募期間とした。期間中に38件(動物系13件、植物系16件、海洋文化系2件、首里城系2件、公園系2件、普及系2件、その他1件)の応募があった。平成27年9月11日の一次審査、9月28日の二次審査を経て、7件の事業への助成が決定した。採択事業は全て調査研究・技術開発部門で、亜熱帯性動物に関する事業3件、亜熱帯性植物に関する事業3件、歴史文化(首里城等)に関する事業1件であった。新設した活動助成部門での採択者は該当者無しであった。採用事業は表-1のとおりである。

表-1 平成27年度 助成事業採用一覧



*1 普及開発課

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