普及啓発の取り組み
前田好美*1・岡慎一郎*2・永田俊輔*1
当財団では、自然環境保全、環境問題への対応、地域連携強化を積極的に実施している。学校教育と連携した普及啓発事業の確立は、そこに通う児童生徒の環境保全意識の向上を図る上で重要な要素の一つである。
今年度は、当財団で行う亜熱帯性動物に関する調査研究・技術開発の成果を基に、県内北部地域の小学校や教育委員会等と連携した学習を行った。学習は「総合的学習の時間」に授業の一環として実施し、1回~複数回に分けて行った。
平成24年度には現在廃校となった源河小学校の総合学習において、河川生物の学習に関するサポートを実施した。平成25年度は当校の統合先である真喜屋小学校の4年生を対象として、昨年度に引き続き河川の環境学習に関する協力を行った。
当財団からは淡水魚に詳しい職員を講師として派遣し、「沖縄の川の環境と生き物」、「リュウキュウアユの歴史と現状」、「川遊びの楽しさと危険」について合計3回の講演を行い、その後、保護者も交えて近隣の源河川での現地学習を実施した。
この取り組みの後、「自然、開発のどちらが大切か」という難しいテーマでの討論会を実施し、児童からは「身近なことでこれほど真剣に考えたことはなかった」などの感想を頂いた。このように、児童達の河川環境に対する意識の向上に有益な機会を提供できたと評価できる。
松田小学校では、地域の施設や団体と連携した学習の実施に力を入れていたことから、本学習の実施に繋がった。
平成25年度は地域の自然や生物について興味関心を引き出すとともに、海で遊ぶ機会が増える夏休みに向けて危険生物に関する知識の提供を行った。対象学年は全校生徒(幼稚園~小学6年生)で、授業時間は幼稚園30分、小学校1~6年生で2時間であった。学習は①幼稚園児 ②1~2年生 ③3~6年生の3グループに分けて行った。普及開発課職員2名により「イノーの生き物と海の危険生物」「ウミガメの生態と現状」について1時間ずつ講演を行った後、生体や標本を用いた形態観察を行った。学習中の反応は良好であり、積極的な質疑応答も行われた。また、地域の自然と結びつけた学習を行ったことで、児童の興味関心を引き付けることができた。
*1 普及開発課 *2 研究第一課
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