普及啓発の取り組み
篠原礼乃*1・前田好美*1
新報サイエンスクラブは、県内の小中学生が行う沖縄の自然や動植物に関する調査研究を対象に助成を行うものである。児童生徒の「科学の芽」を育み、環境の重要性や沖縄の自然環境への関心を高めるとともに、自然科学の研究者や環境学習・教育の指導者等、次代を担う人材の育成を目的として実施するものである。今年度は3回目の実施となり、昨年度に引き続き小学生20件程度、中学生10件程度を採用件数とした。
平成25年5月24日(金)から6月25日(火)にかけて募集を行った。応募総数は28件で、小学生17件、中学生11件であった。7月5日(金)に審査会を開催し、応募者全員の採用が決定した。
7月14日(日)、第1回オリエンテーションを開催し、事業の概要、助成金、スケジュール、発表会等について説明を行った。また、南九州大学の遠藤 晃准教授を招き、研究の進め方等に関する講演を行った。
8月14日(水)、沖縄科学技術大学院大学(恩納村)の施設見学会を開催した。
11月16日(土)、琉球大学資料館(風樹館)において、第2回オリエンテーションを開催した。風樹館の佐々木健志先生より、報告書のまとめ方や研究発表会の準備について説明を行った。また、オリエンテーション終了後、希望者には風樹館の収蔵物(沖縄県内に生息する生物の剥製や骨、伝統工芸品など)の見学会を開催した(図-1,2)。
本事業では、単に研究費用の助成を行うだけでなく、研究を進めていく中で疑問に思ったことや悩んでいることなどを解決するため、専門家に相談することができる「フォローアップ」制度を設けている。フォローアップについては、当財団職員や各分野の専門家が対応にあたっており、今年度のフォローアップ利用は4件であった(表-1)。
表-1 奄美大島視察日程
日付 | 内容 |
7/28(日) | 「オオゴマダラのかんさつ」 |
8/10(土) | 「沖縄と新潟の野鳥の比較研究」 |
8/26(月) | 「雑草の種の特徴と発芽のようす」 |
9/14(土) | 「沖縄県の土壌の特徴」 |
平成26年1月25日(土)、琉球新報ホール(那覇市泉崎)において、研究発表会を開催した。調査研究に取り組んだ全28件の個人・団体が作成したポスターを会場に掲示し、3グループに分かれてそれぞれプレゼンテーションを行った(図-3)。研究者全員が発表者または質問者となり、活発な意見交換がおこなわれた。ポスター発表終了後、識者からの総評が述べられた後、全員に参加賞が手渡された。
本事業の特色となっているフォローアップ制度の利用が進まず、昨年度の8件と比較してもその半分と、対応件数が少ない。今後の実施にあたっては、フォローアップの積極的利用を図る。
*1 普及開発課
Copyright (c) 2015 Okinawa Churashima Foundation. All right reserved.