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プレスリリース

寿命は約50年?北限域のヤシガニの成長や寿命を解明

2015.06.05

一般財団法人 沖縄美ら島財団(沖縄県本部町)の岡慎一郎らの研究グループは、ヤシガニの分布のほぼ北限にあたる海洋博公園に生息するヤシガニの成長や寿命を、8年間にわたる追跡調査で明らかにしました。本研究の論文は、日本動物学会発行の国際学術雑誌「Zoological Science」に掲載されました。

発表雑誌

雑誌名:Zoological Science
論文名:Growth of the Coconut Crab, Birgus latro, at its Northernmost Range Estimated from Mark–Recapture Using Individual Identification Based on Carapace Grooving Patterns
著者名:(一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 技師 岡慎一郎
    (一財)沖縄美ら島財団 総合研究センター 契約職員 宮本圭
    (一財)沖縄美ら島財団 魚類チーム(沖縄美ら海水族館勤務) 主任技師 松崎章平
      国立研究開発法人 水産総合研究センター 西海区水産研究所 主任研究員 佐藤琢

ポイント

  • 2006年から2014年までの約8年間、海洋博公園に生息するヤシガニの生息実態調査を実施。
  • 著者らの研究グループが発見したヤシガニの甲殻の紋様による個体識別法を応用し、126例の再捕による成長量などのパラメータに基づく数値モデルにより成長を解析。
  • 解析の結果、成長はとても遅いことが分かり、一般的に食用とされる大きさである胸長約40mm(体重約500g)に達するまでに雄は約11年、雌は約25年を要し、寿命は雌雄とも約50年と推定された。
  • 既往調査と比べると、北限域でありながら成長速度や体の大きさは、他の地域と遜色ない水準にあり、海洋博公園はヤシガニの生息に適した環境条件にあると考えられる。
  • 国営公園として約40年間自然環境が保全されたことにより、初めて希少なヤシガニの生態解明につながった。
  • 本研究の成果は、絶滅が危惧されるヤシガニの資源管理や保全活動に役立つと期待される。

代表研究者プロフィール

岡慎一郎(おか しんいちろう)
2000年琉球大学理工学研究科海洋自然科学専攻博士前期課程修了。環境調査会社勤務を経て、2010年(財)海洋博覧会記念公園管理財団(現在は一般財団法人 沖縄美ら島財団に名称変更)入社。専門は水生生物の生活史研究。

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お問い合わせ先
一般財団法人 沖縄美ら島財団
経営企画課
沖縄県国頭郡本部町字石川888
TEL:0980-48-3645   FAX:0980-48-2200
電話での受付時間 10:00~17:00 月曜~金曜(祝日を除く)

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